赤字経営で、知名度も高くない中国の自動車会社が、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)とのコラボにより猛烈に販売台数を伸ばしている。
中国の中堅商用車メーカー「重慶小康工業集団」傘下で、EV(電気自動車)製造を手がける「重慶金康賽力斯汽車(セレス)」は4月23日、ファーウェイとコラボしたSUVタイプの「セレス・ファーウェイSF5」の予約販売台数が、わずか2日間で3000台を突破したことをSNSの公式アカウントで明らかにした。
セレス・ファーウェイSF5には、さまざまな車載機器とスマートフォンを連携させるファーウェイの独自規格「HiCar(ハイカー)」を搭載し、販売価格は、4輪駆動タイプが24万6800元(約410万円)、2輪駆動タイプは21万6800元(約360万円)だ。
ほかにも自動車メーカーとのコラボを加速
セレスは小康工業が生産・販売する高級車ブランドで、2019年4月に初の完成車モデルとなるSUVタイプの「SF5」を発表した。SF5は通常型のEVと、発電用の小型エンジンを搭載して航続距離を延ばしたレンジエクステンダー型のEVの2車種があり、2020年4月からデリバリーを開始した。ただし業界のデータによれば、月間販売台数はピーク時でもわずか数百台にとどまっていた。
注目すべきなのは、ファーウェイはコラボ版のSF5の販売も手がけることだ。従来型と区別するため、車両後部には「華為智選」のバッジが取り付けられている。内情に詳しい専門家によれば、ファーウェイは部品販売による収入のほか、公式サイトや直営店での自動車販売の中からも相応のコミッションを受け取ることができるという。
ここ最近、ファーウェイは自動車メーカーとのコラボを加速させている。中国の国有自動車大手、北京汽車集団傘下の高級EVブランドの極狐(アークフォックス)は4月17日、新型EV「阿爾法(アルファー)S」を発表。同時にファーウェイとのコラボ・バージョンをお披露目した。これはファーウェイが独自に開発したOS(基本ソフト)の鴻蒙(ホンモン)車載版を搭載した初モデルだ。(詳しくは、遂に発表!ファーウェイ系「自動運転車」の全貌、を参照)
このほか、ファーウェイの「10億ドル(約1079億円)巨額投資」のニュースも市場の注目を集めている。ファーウェイが4月18日に開催した車載新技術の発表会で、スマート自動車ソリューション事業のトップを務める王軍氏は「今年ファーウェイが自動車業界に投ずる研究開発費は10億ドルに達し、開発技術者は5000人を超え、そのうち、自動運転の開発要員は2000人を超える」と語った。
(財新記者:覃潔)
※原文の配信は4月25日
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