中国検索大手「百度」がEV参入を前倒しする訳

今後5年間に投入する資金は約8300億円規模

百度は合弁会社のEV投入時期を前倒しする。写真は湖南省長沙市の高速道路を走行する百度のテスト車両(百度のウェブサイトより)

中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)が過半出資をして経営権を握る電気自動車(EV)の製造会社「集度汽車(ジードゥ)」が製品の市場投入を前倒しする。(百度のEV参入は、中国の検索最大手「百度」、EV製造参入の本気度、を参照)

集度汽車の夏一平CEO(最高経営責任者)は4月23日に、就任後初めて、財新を含む複数のメディアの取材に応じ、同社の第1号モデルを2022年4月に開催される北京モーターショーで初公開することを明らかにした。この日程はこれまでに発表された「(最初のEVを)3年以内に市場に投入」に比べて大幅前倒しとなる。

夏CEOはタイムスケジュールを早めた背景について、「自動車業界は変化が加速しているため、業界で勝者となるためには早く動かなければならない。わが社は全社員が全力疾走している。業界に驚きを与えたい」と語る。

1年~1年半ごとに1機種投入予定

新製品の開発目標に関しては、「車両設計は2020年2月から始めている。電気・電子アーキテクチャーからソフトとハードに至るまで、本物の自動運転レベル4(高度運転自動化)の能力がある車を作り上げる」と夏CEOは意気込む。

本記事は「財新」の提供記事です

集度汽車は2021年1月、百度と中国の中堅自動車メーカー、吉利汽車(ジーリー)の親会社である吉利控股集団が共同で設立した。百度は55%を出資して経営権を確保している。

同社の運営について、夏CEOは「集度汽車は百度が主導するが、その運営は百度からの独立性を保つ。概算では、今後5年間に投下する資金は約500億元(約8305億円)規模となる。この金額は、第1号モデル発表後、1年~1年半ごとに新モデルを1機種投入することが前提だ」と語る。

また、開発費については「現在集度汽車では、吉利がEV専用に開発した次世代プラットフォーム(車台)のSEA浩瀚を使用し、1モデル当たり15億元(約249億円)以上の開発費が必要だ。ただ、将来的には、集度汽車の独自プラットフォームを開発する可能性もあり、その場合、開発費はさらに膨らむ」と話す。

なお、集度汽車は設立してから間もない準備段階にあり、夏CEOによると、就任以来最も力を注いできたのは人材のスカウトだという。これまでに約100人を確保し、2021年の年末には1500~2000人に拡大、2022年の年末には2000~3000人規模の組織にする計画だ。

(財新記者:何書静)
※原文の配信は4月24日

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