中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は、市場シェアの拡大に向けて研究開発人材の大増員に踏み切る。「2021年に開発エンジニア5000人を募集する」。シャオミの創業者で会長兼CEO(最高経営責任者)の雷軍氏は、11月5日に開催した開発者向けイベントでそう宣言した。
「シャオミがコア技術でブレークスルーを成し遂げるには、イノベーションの源泉である人材が欠かせない。もっと多くの優秀なエンジニアを効率的に組織してこそ、不断のブレークスルーを実現できる」(雷氏)
同社の年次報告書によれば、シャオミには2019年末時点で8874人の開発エンジニアが在籍している。これは全世界のフルタイム従業員の49%にあたる。2019年の研究開発投資は75億元(約1174億円)と前年比30%増加し、2020年には100億元(約1565億円)に達する見込みだ。
7~9月期の世界シェア3位に浮上
スマホのコモディティー化が進むなか、メーカーの間ではカメラ機能の向上が競合他社との差別化の焦点になっている。シャオミもカメラ機能の研究開発に力を注いでおり、2018年にはコアデバイスの開発部門内のチームから独立した部門に昇格させた。カメラ機能の開発エンジニアは2年前の122人から現在は850人に増加している。
今回のイベントで雷軍氏は、将来の研究開発の進路について次の10分野の強化を挙げた。情報化とプロセスマネジメントのシステム、スマート製造装置の開発とシステムインテグレーション、カメラ、ディスプレー、充電、IoT(モノのインターネット)のプラットフォーム、AI(人工知能)による言語コミュニケーション、5G(第5世代移動通信)および次世代の6Gの通信標準規格、ビッグデータおよびクラウドサービス、そしてオーディオだ。
市場調査会社のIDCよれば、シャオミは中国市場とインド市場で販売を大きく伸ばし、2020年7~9月期は前年同期比42%増の4650万台のスマホを出荷した。
世界市場でのシェアは首位の韓国のサムスン電子、2位の中国の華為技術(ファーウェイ)に続く3位に浮上。ファーウェイはアメリカ政府の制裁の影響で出荷台数を落としており、シャオミとのシェアの差は2ポイント未満にまで縮まっている。
(財新記者:何書静)
※原文の配信は11月5日
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