ファーウェイ「独自開発OS」、スマホに搭載へ

サードパーティにも提供、目標は1年後に2億台

アメリカ政府の制裁に苦しむファーウェイは、独自OS「鴻蒙」で生き残りを目指す。写真は鴻蒙の初期バージョンを発表した2019年8月の開発者向けイベント(ファーウェイのウェブサイトより)

中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)は9月10日、独自開発した基本ソフト(OS)の新バージョン「鴻蒙(ホンモン)2.0」を発表した。前バージョンの鴻蒙1.0はファーウェイ製のスマートテレビにのみ搭載されたが、新バージョンはサードパーティの家電製品、スマートウォッチ、車載デバイスなどにも採用を働きかけるとともに、来年からファーウェイのスマートフォンにも搭載する。

「まず組み込み向けの鴻蒙2.0のテスト版を開発者に提供し、12月にはスマホ向けのテスト版をリリースする。来年にはファーウェイのスマホを全面的にアップデートし、鴻蒙に対応させる」。ファーウェイのコンシューマー製品部門のCEO(最高経営責任)を務める余承東氏は、広東省東莞市で開催したソフトウェアなどの開発者向けイベントでそう語った。

同社のコンシューマー向けソフトウェア部門の副総裁を務める楊海松氏は、このイベントでメディアの取材に応じた際、鴻蒙を搭載した自社製のデバイスを1年以内に1億台以上、同じくサードパーティ製のデバイスを1億台以上にすることが開発チームの目標だと明かした。楊氏によれば、これは最低限の必達目標であり「会社の要求はさらに高い」という。

だが、それを達成できるかどうかは不透明と言わざるをえない。アメリカ政府の対ファーウェイ制裁の強化により、9月14日以降、ファーウェイは半導体の調達が困難になった。それ以前に備蓄したチップの在庫が尽きれば、鴻蒙を搭載するはずのスマホの生産がストップしかねない。

海外市場では「グーグル非搭載」で顧客離れ

仮にスマホを生産できても、鴻蒙の普及へのハードルは高い。2019年5月にアメリカ商務省がファーウェイをエンティティー・リスト(訳注:アメリカの安全保障や外交政策上の利益に反すると判断された企業等のリストで、事実上の禁輸対象)に登録してから、ファーウェイはグーグルがアンドロイドOS向けに提供する「グーグル・モバイル・サービス(GMS)」を新開発のスマホに搭載できなくなったためだ。

GMSは検索、マップ、ユーチューブなどのグーグル製アプリや、OSとアプリを連携させるAPIをひとまとめにしたもの。それがないとアンドロイド向けアプリストアの「グーグルプレイ」も利用できない。ファーウェイは昨夏以降の新製品にGMSに代わる独自の「ファーウェイ・モバイル・サービス(HMS)」を搭載したが、海外市場での顧客離れを防げなかった。

独自OSの鴻蒙も、アプリの配信にHMSを利用する。「鴻蒙が成功を勝ち取るためには、HMSを少なくともGMSに大きく見劣りしないものに改善しなければならない」と、通信業界の専門家は指摘する。

本記事は「財新」の提供記事です

HMSのアプリストアにはすでに9万6000点のアプリが登録され、検索の百度(バイドゥ)、ライドシェアの滴滴(ディディ)、メッセージ交換のLINE(ライン)などの人気アプリも増えている。だが、300万点近いアプリを擁するグーグルプレイとの落差は途方もなく大きいのが実態だ。

(財新記者:張而弛)
※原文の配信は9月11日

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