ファーウェイ創業者が語ったアメリカへの本音 「いかなることがあっても恨まない」と任正非氏

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ファーウェイ創業者の任正非氏は、同社を1代で世界的な巨大企業に育て上げた。写真は2020年1月のダボス会議に出席した任氏(ファーウェイのウェブサイトより)

中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は今、アメリカ政府の制裁という猛烈な逆風にさらされている。そんななか、同社を1代で世界的な巨大企業に育て上げた創業者の任正非CEO(最高経営責任者)は、どんな思いを抱いているのだろうか。

「ファーウェイは、5G(第5世代移動通信)という(未知の世界を照らす)灯台に火を灯したかった。ところがマッチ棒を擦った途端、アメリカが振り下ろした棍棒に打ちのめされてしまった」

「当初は、われわれの法令遵守の手順に何か問題があったのではないかと考えを巡らせた。しかし2度、3度、4度と打ちのめされ、アメリカの一部の政治家はファーウェイの死を望んでいるのだとようやく気づいた」

「生き残ることへの渇望は、ファーウェイを奮い立たせる。われわれは自分を救うすべを自ら探す道を歩む」

上記の発言は、任氏が今年7月29日から31日にかけて上海交通大学、復旦大学、東南大学、南京大学を相次いで訪問した際の肉声の一部だ。8月29日、上海交通大学がSNSの公式アカウントを通じて公表した座談会の摘録から明らかになった。

「本当に強くなるため敵からも学ぶ」

これらの大学を任氏が訪問した目的は、産学連携を通じたイノベーション推進と人材育成である。任氏はほかにも次のように語った。

「いかなることがあっても、われわれはアメリカを恨まない。(ファーウェイに対する制裁は)一部の政治家の問題であって、アメリカ社会を代表するものではないからだ。本当に強くなりたければ、敵を含めてすべての人から学ばなければならない」

中国のイノベーションの現状について任氏は、「仮にイギリスの産業革命を100とすれば、今日のアメリカは150で、中国は70だ」と厳しく評価した。そして、中国に欠けている30は独創性であり、それがなければ「中進国の罠」(訳注:新興国の経済発展が中程度の水準に達した後、発展モデルを転換できず成長率が鈍化すること)に陥って経済成長は止まり、あらゆる社会問題が噴出すると警鐘を鳴らした。

本記事は「財新」の提供記事です

さらに任氏は、「未来の技術は誰にも見えない暗闇の中にある。それを照らす灯台に火を灯す責任を負うのが大学であり、教育を通じて社会を前進へと導いてもらいたい」と述べ、中国の大学が10~20年後に世界の基礎研究において中心的役割を担うことに期待を寄せた。

(財新記者:葉展旗)
※原文の配信は8月29日

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