アメリカ大統領選挙が2カ月半後に迫るなか、トランプ政権が中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)に対する制裁措置の再強化に踏み切った。8月17日にアメリカ商務省が発表した声明によれば、新たな制裁の要点は2つある。
その第1は、アメリカ由来の技術に対するファーウェイのアクセスをさらに制限するため、アメリカ以外の企業がアメリカのソフトウェアを使って設計した半導体にまで禁輸対象を拡げたこと。第2は、アメリカの安全保障や外交政策上の利益に反すると判断された企業等を列挙したエンティティー・リストに、ファーウェイの関連企業38社を追加したことだ。これにより、エンティティー・リストに登録されたファーウェイ関連企業は152社に増加した。
「新たな制裁措置は、アメリカのソフトウェアや製造装置を使ってファーウェイのために製品を作ることは禁止されており、(商務省の)許可が必要であることを明確にするものだ」。商務省のウィルバー・ロス長官は、アメリカのFOXニュースのテレビ番組でそう語った。
来年初めまで持ちこたえる在庫を確保か
さらにアメリカ国務省も声明を出し、商務省の制裁強化に強い支持を表明。新たな措置は「ファーウェイがアメリカの法律を迂回し、アメリカ由来の技術が使われた代替チップを生産したり既製チップを調達したりするのを防ぐ」と評価した。
世界の半導体業界では、中国企業を含むほぼすべてのメーカーが設計段階でアメリカのEDA(回路自動設計)ソフトウェアを使っている。その現実を考慮すると、仮に商務省が許可を一切出さなかった場合、ファーウェイは半導体の調達ルートを完全に断ち切られる可能性がある。
財新記者は今回の制裁強化についてファーウェイにコメントを求めたが、この記事の配信時点(訳注:北京時間8月18日午前7時過ぎ)では回答を得られていない。通信業界の複数のアナリストによれば、ファーウェイは少なくとも2021年初めまで生産を継続できるだけの半導体チップの在庫を確保しているという。
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は8月18日
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