中国の「フル5G」ネットワークが9月に商用化

超高速通信、超低遅延、多数同時接続を実現

中国では「フル5G」ネットワークの構築が急ピッチで進んでいる。写真は基地局の設置工事を行う通信機器大手ファーウェイの作業員(同社ウェブサイトより)

「中国初のスタンドアローン構成の5G(第5世代移動通信)ネットワークが2020年9月から商用サービスを開始する」。中国信息通信研究院(訳注:中国工業情報化省直属の情報通信技術の研究機関)の副院長を務める王志勤氏は、8月17日、広東省深圳市での記者会見でそう明らかにした。

王氏によれば、中国では2020年6月末時点ですでに41万基の5G基地局が稼働しており、年初からの1年間で50万基を追加して全国の主要都市をカバーする計画だ。この記者会見に同席した深圳市長の陳如桂氏は、深圳にはすでに市内全域をカバーする4万6000基の5G基地局が配置され、その密度は世界一だと胸を張った。

5Gのネットワーク構成にはノンスタンドアローン(NSA)とスタンドアローン(SA)の2種類がある。NSAは4Gのコアネットワークに5G基地局を組み合わせる構成で、既存の4Gのインフラを流用できるメリットがある。一方、SAは5G専用に開発されたコアネットワークに5G基地局を組み合わせる「フル5G」と呼べる構成で、本来の性能を制約なく発揮できる。

工作機械のリアルタイム遠隔制御などが可能に

中国では2019年6月、工業情報化省が3大通信事業者の中国移動(チャイナ・モバイル)、中国電信(チャイナ・テレコム)、中国聯合通信(チャイナ・ユニコム)および新規参入の中国広播電視網路(チャイナ・ブロードキャスティング・ネットワーク)の4社に対して5Gのライセンスを発給。同年11月から商用サービスが始まった。

しかし当時はSAの規格がまだ成熟しておらず、通信事業者はNSAでネットワークを構築した。NSAは4Gのコアネットワークに依存するため、基本的には5G基地局と端末との間のデータ通信が高速になるだけだ。それがSAに移行すれば、例えば工作機械のリアルタイム遠隔制御など、5Gの超低遅延、多数同時接続などの特徴を生かした新サービスが実現できる。

本記事は「財新」の提供記事です

3大通信事業者は2020年上半期にSA構成向け5G基地局の大型入札をそろって実施し、SAネットワークを急ピッチで建設している。新規参入の中国広播電視網路は大幅に出遅れているが、もともと4Gネットワークを持たないため、NSAをスキップして直接SAを採用することを決めた。

(財新記者:屈慧)
※原文の配信は8月17日

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