新型コロナウイルスの流行はグローバルな5G(第5世代移動通信)普及のシナリオを大きく変え、中国の役割がより重みを増している。
「2020年末に5Gネットワークに接続する全世界の端末数を1億2800万台と予想しているが、新型コロナ流行の影響で、昨年想定した1億7300万台より約26%少なくなる。しかし中国では5G端末への消費者の関心が高く、年末の端末数は昨年想定した3400万台を大きく超える9485万台に達する可能性がある」。6月15日、財新の取材に応じたGSMアソシエーション(GSMA)大中華地区総裁のスーハン・ボ・チェン氏はそう述べた。
GSMAは移動体通信事業者の国際的な業界団体で、世界各国から750社を超える通信事業者と約400社の通信関連企業が加盟。世界最大の通信関連展示会「モバイルワールドコングレス」の主催団体としても知られている。仮にGSMAの予想どおりなら、今年末時点で5Gネットワークに接続する端末数は中国が全世界の74%を占める計算になる。
最も安い5G端末価格は約2万4000円
「中国での力強い成長ぶりは、5Gのグローバルな発展過程で世界に自信を与えている」。そう語るスーハン氏によれば、中国では2020年1~5月に出荷された携帯端末のすでに37%を5G端末が占め、価格は最も安いものでは1599元(約2万4000円)まで下がってきているという。「中国の状況はとてもエキサイティングだ」(スーハン氏)。
一方、中国以外に目を向けると状況は楽観できない。スーハン氏によれば、新型コロナの世界的大流行により各国で5Gネットワークへの投資が遅れている。
例えばフランスでは、政府が通信事業者に5G向けの周波数を割り当てるオークションが延期され、2020年末までに少なくとも2都市を5Gネットワークでカバーする計画が撤回された。
しかしGSMAは、2021年には5Gの普及が(新型コロナの影響を脱して)再び加速するとみている。そして2021年末および2022年のグローバルな5G端末数は、昨年の想定とほぼ同じ台数に追いつくと予想する。
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は6月16日
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