中国の中堅自動車メーカーの吉利汽車(ジーリー)は8月17日、2020年1~6月期の決算報告を発表した。今年上半期の業績は新型コロナウイルス流行の影響を受け、売上高は368億2000万元(約5633億円)と前年同期比23%減少。純利益の落ち込みはさらに大きく、同43%減の22億9700万元(約351億円)にとどまった。
吉利汽車は決算発表と同時に、2020年の販売目標を従来の141万台から132万台に下方修正した。その理由について同社は、中国市場で「コロナ後」の新車販売の回復が想定より遅れていることや、世界経済の先行きがなお不透明であることなどを挙げた。
同社は決算報告書の中で、2020年は吉利の創業以来最も困難な1年であるとし、厳しい経営環境が下半期も続くと予想している。これは競合他社も同様だ。中堅メーカーの長城汽車は2020年の販売目標を8%、国有大手の広州汽車集団は5%それぞれ引き下げた。
販売台数より市場シェアの維持・向上を重視
中国汽車工業協会のデータによれば、2020年1~7月の中国市場の乗用車販売台数は953万3000台(訳注:メーカー出荷ベースの販売台数)と、前年同期比18.2%減少した。新型コロナの流行が落ち着いた4~6月期に自動車市場は息を吹き返したが、カテゴリー別では外資系ブランドの高級車が販売を伸ばし、中国ブランドの大衆車のシェアはむしろ低下している。
また、7月単月の乗用車販売台数は前年同月比9%増加したものの、前月の6月からは5.6%減少した。コロナ経済対策の一環として各地の地方政府が打ち出した自動車購入優遇策の多くが6月末に期限を迎え、7月はその反動が表れたと、中国汽車工業協会の幹部は解説する。
市場の先行きが再び不透明さを増すなか、吉利汽車は販売台数より市場シェアの維持・向上を重視する方針だ。同社によれば、乗用車市場での吉利汽車のシェアは年初の6.51%から6月末には6.74%に伸びたという。
(財新記者:鄭麗純)
※原文の配信は8月17日
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