中国の電子商取引(EC)大手、拼多多(ピンドゥオドゥオ)の急成長に減速の兆しが現れた。同社が8月21日に発表した2020年4~6月期の決算報告によれば、同四半期の売上高は121億300万元(約1852億円)と前年同期比67%増加したが、アナリストの平均予想値をわずかに下回った。純損失は8億9900万元(約138億円)と、前年同期の10億300万元(約153億円)より幾分縮小した。
売上高の増加を牽引したのは、拼多多に出店する加盟店のネットマーケティングを支援する技術サービス料の増収だ。同社によれば、例年4~6月期は中国EC業界の書き入れ時(訳注:毎年6月に中国EC業界を挙げて行われる「618」セールを指す)であることに加え、「コロナ後」の中国経済の着実な回復を受けて、加盟店の広告ニーズが大幅に増加したという。
具体的には、技術サービス料の4~6月期の売上高は110億5470万元(約1691億円)と前年同期比71%増加した。一方、取引手数料の売上高は11億3860万元(約174億円)と、同38%の増加にとどまった。
消費者は「コロナ後」の支出拡大に慎重
決算報告の発表後、アメリカのナスダックに上場する拼多多の株価は急落。8月21日の終値は84ドルちょうどと、前日の終値(97ドル13セント)より13.5%も下落した。
投資家の売りを誘った要因は、拼多多を通じた商品販売の総額であるGMV(流通総額)の伸び率が期待値に届かなかったことだ。
2020年6月末までの1年間のGMVは1兆2687億元(約19兆4111億円)と前年同期比79%増加したものの、1~3月期決算で開示した2020年3月末までの1年間の伸び率は108%だった。過去の財務データを基に推計した4~6月の3カ月間のGMVは前年同期比48%増にとどまり、1~3月の同99%増から成長ペースが大きく鈍化した格好だ。
2020年6月末までの1年間のアクティブ購入者数(訳注:拼多多を繰り返し利用するリピーター数)は6億8300万人と、前年同期比41%増加した。ところが同じ期間のアクティブ購入者1人当たり平均消費額は1857元(約2万8412円)と、前年同期比27%しか増えなかった。
GMVや平均消費額の伸び率が期待に届かなかった理由として、拼多多の財務担当副総裁を務める馬靖氏は、中国の消費者が(コロナ後の支出拡大に)依然として慎重であることを挙げた。「拼多多はもともと『お値打ち商品』を目当てにアプリを開くユーザーが多い。4~6月期はその傾向がとりわけ強かった」(馬氏)という。
(財新記者:原瑞陽)
※原文の配信は8月22日
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