中国最大のLGBT(性的マイノリティー)向け社交アプリBlued(ブルード)を運営する藍城兄弟ホールディングスが、7月8日、アメリカのナスダックに上場した。IPO(新規株式公開)の目論見書を6月16日に提出してから1カ月も経たないスピード上場だ。
同社のADS(アメリカ預託株式)は取引初日は発行価格の16ドル(約1720円)を28%上回る20.45ドル(約2198円)で寄り付き、一時は2倍を超える35.89ドル(約3858円)まで急上昇。その後は値を下げたものの、終値は発行価格より46%高い23.43ドル(約2519円)で引けた。
目論見書によれば、藍城兄弟は今回のIPOで530万単位のADSを発行。さらに幹事証券会社が31万2000単位のオーバーアロットメント(追加売り出し)の権利を得ており、そのすべてが行使された場合の資金調達額は8980万ドル(約97億円)に達する。藍城兄弟はこの資金をBluedの国際展開の加速、AI(人工知能)やビッグデータ関連の研究開発、M&A(企業の合併・買収)などに投じる計画だ。
2000年に立ち上げたネット掲示板が前身
LGBT向けアプリとしてのBluedの強みは、何と言っても世界最大の人口を擁する中国に厚い基盤を持つことだ。目論見書によれば、2020年3月末時点の登録ユーザー数は4900万人を超えており、2020年1~3月期の月間平均アクティブユーザー数は600万人に上る。
創業トップの馬保力氏は2000年にBluedの前身のネット掲示板を立ち上げ、2011年に北京で会社を設立。翌2012年に社交アプリのBluedをリリースし、2013年には持ち株会社の藍城兄弟ホールディングスを英領ケイマン諸島に登記した。
その後、Bluedは戦略投資家からの資金調達を繰り返しながら事業を拡大してきた。2013年8月にエンジェル投資家が300万元(約4590万円)を提供したのを皮切りに、2014年10月のシリーズBの資金調達ではアメリカの有力ベンチャーキャピタルのDCMなどが3000万ドル(約32億円)を投資。さらに2019年2月のシリーズDでは、中国最大級のオルタナティブ投資会社の鼎暉投資などが1億ドル(約108億円)を投じていた。
(財新記者:関聡)
※原文の配信は7月9日
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