アリババ決算に見る「在宅消費」勝ち組と負け組

投資先の価値下落で1~3月期純利益は88%減

アリババは2020年1~3月期の純利益が9割近く減少した。写真は浙江省杭州市の本社オフィス(アリババのウェブサイトより)

中国の電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴(アリババ)はアメリカ東部時間の5月22日、2020年1~3月期の業績を発表した。それによれば、売上高は1143億元(約1兆7260億円)と前年同期より22%増加し、市場の事前予想を上回った。

アリババCFO(最高財務責任者)の武衛氏は今年2月13日に開いた2019年10~12月期の決算説明会で、新型コロナウイルスの影響により2020年1~3月期の売上高はマイナス成長になりうるとの見方を示していた。しかしフタを開けてみると懸念は杞憂に終わった格好だ。

一方、1~3月期の純利益は前年同期比88%減の31億6200万元(約447億円)と、市場の事前予想を下回った。最大の要因は投資先企業の価値が下落して多額の減損を迫られたことだ。これを受け、アメリカのニューヨーク証券取引所に上場するアリババ株は前日の終値より一時6%以上値下がりした。

クラウド事業は前年同期比58%の急成長

ネット小売り事業の過去1年間のアクティブユーザー数は7億2600万人と、2019年12月までの1年間と比較して1500万人増加。これは同じ基準で比較した2019年10~12月期の増加数(1800万人)を下回った。新型コロナの流行による「巣ごもり消費」は、一般的にはECにとって追い風との見方が多いが、実際には分野別の濃淡が大きかった結果とみられる。

例えば生活必需品や家電製品のオンライン販売は大きく伸びたが、アパレル、家具、カー用品などは前年同期比マイナスだった。また、傘下のネット出前大手の餓了麽(ウーラマ)などが手がける生活関連サービスも、飲食店の広範な営業停止が響いて売上高が前年同期比8%減少した。

EC以外で大幅な成長を見せたのがクラウド事業だ。1~3月期の売上高は122億2000万元(約1845億円)と、前年同期比58%増加。クラウド事業の2020年3月期の通期売上高は400億元(約6040億円)を突破した。

本記事は「財新」の提供記事です

アリババの経営陣は「新型コロナの影響を総括するのは時期尚早」としながらも、現時点のビジネスは2019年10~12月期の水準を回復したと述べた。そのうえで同社は、2021年3月期の通期売上高が前年度比27.5%増の6500億元(約9兆8150億円)に達するとの見通しを示した。

(財新記者:原瑞陽)
※原文の配信は5月23日

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