中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は4月12日、アナリスト向けの年次戦略説明会を開催した。4月から任期半年の輪番董事長(会長に相当)に就任した徐直軍氏は、基調講演でファーウェイの2021年の「5大戦略」を発表。その意義について次のように語った。
「2019年と2020年はすべての時間がアメリカ政府の制裁の打撃を克服すること費やされ、未来についてじっくり考える余裕がなかった。その経験を改めて振り返ると、われわれは生き残ることへの希望を得たが、よりよく生き残るためにはさらなる努力が必要だとわかった」
さらに徐氏は、「仮定や幻想に基づく企業戦略は立てられない」としたうえで、5大戦略はアメリカの制裁が長期にわたって続く前提のもと、ファーウェイが生き残り、事業を成長させるための方策だと強調した。
5大戦略の第1は、事業ポートフォリオを最適化して(不測の事態に対する)ビジネスの強靱性を高めることだ。なかでもソフトウェア開発能力の強化を重視しており、具体的にはクラウドコンピューティングや自動運転ソフトウェアなどに力を注ぐ。
「必ず生き残れると信じる」
第2の戦略は、5G(第5世代移動通信)の付加価値の全面展開と5.5Gへの布石だ。通信ユーザーの4Gから5Gへの移行を加速させるとともに、法人向けの5Gソリューションの充実を図る。さらに、業界各社との協業を通じて5.5Gのスタンダード作りを進める。
第3の戦略では、(制裁の影響による)スマートフォンの販売減少を埋め合わせるべく、スマートホーム、スマートオフィス、スマートトラベル、スポーツ&ヘルス、オーディオ・ビジュアル・エンターテインメントの5分野でコンシューマー向け事業の拡大を図る。
第4の戦略はエネルギー消費の削減による低炭素社会の実現だ。顧客である通信事業者の移動体通信基地局やデータセンターなどのエネルギー消費を、ファーウェイが支援して低減する。
そして最後の5番目は、サプライチェーンの改善努力を続けることで、アメリカの制裁に耐え抜く体制を固めることだ。「やり遂げれば、ファーウェイは問題なく生き残れる。必ずできると信じている」。徐氏はそう語った。
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は4月12日
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