リクルートマネジメントソリューションズが行った「2021年度の新入社員意識調査」の中でも、新入社員が上司に期待することで、最も多かった答えは、何だと思いますか。もうわかりますよね。「相手の意見や考え方に耳を傾けること」でした。
にもかかわらず、自分の知見や考えを一方的に伝え、指示を出すこと、つまり「話すことこそが重要」と考えている人がどれほど多いことか。
人は自分のことを話したがる動物です。イギリスのある調査によると、人は会話の30~40%、自分の話をしており、ソーシャル上ではその比率がぐんと上がり、80%が自分のことを話しているそうです。
「自分のことを話すとき、それが会話であろうと、ソーシャルメディア上であろうと、人はお金や食べ物、セックスと同じような快楽を感じる」。ハーバード大学の神経学者が、こんな驚きの調査を発表しています。
約200人の脳を調べたところ、被験者が自分のことを話しているとき、「脳のある領域」の動きが活発化するのが確認されました。この領域は「快楽ホルモン」と呼ばれ、食事やセックス、お金などの報酬やドラッグによって分泌される「ドーパミン放出」に関係があるとされる箇所でした。
時々、われを忘れて自分の話に没頭する人がいますが、私はそういう人を見ると、「脳内セックス(マスターベーション)をしている!」「ああ、気持ちがいいんだろうなあ」と思ってしまいます。裏返せば、誰かが自分に関心をもって、一生懸命、自分の話を聞いてくれることを不快に思う人はほとんどいません。
つまり、「話を聞いてあげること」は、「相手に快感を抱かせる」✕「相手のことをよく知る」✕「相手に気に入られる」という一石三鳥のソリューションということです。
「話す力」より「放す力」が大事
みなさんはコミュニケーションに最も必要なのは「話す力」だと考えていらっしゃるかもしれません。しかし、実はその100倍以上大事なのは、「放す力」なのです。
いったん、自分の中の「話したい欲求」を手放して、耳の穴をかっぽじって、ダンボのように、相手の話に「耳を立てる力」。この力を磨くことで、「最高の上司」となり「モテる」ようになり「ビジネスでも成功できる」のです。
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