リーダーは人を動かす前に、自分がまず動く プロ登山家が語るリーダー論、組織論(下)

✎ 1〜 ✎ 40 ✎ 41 ✎ 42 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

太田 人の育成と似ていますね。まずは組織で、与えられた環境の中で自分はどうパフォーマンスを発揮していくかということを学び、そこで専門性が磨かれたら、今度はその強みが発揮できる場を探していく。

竹内 私も、組織登山での経験をラルフが評価してくれました。もし組織登山で登山をしていなければ、ラルフは私の専門性というものは見抜かなかった。お互いにそうでしょう。だから組織登山も小ユニットでの経験も、どちらが良いということではなく、どちらの経験も等しく重要でした。

ゴールを目指すのでなく、どこまでやれるか試し続ける

太田 プロ登山家になり、自ら掲げた14座という目標をみごと達成されて、この先のライフワークについてどうお考えなのかお聞きしたいです。どういう世界観をお持ちなのでしょうか。

竹内 14座を登って2年になり、自分でも振り返る余裕がでてきました。14座を登ったことがどういうことなのかを考えてみると、私は「経験の積み重ね」という言葉がしっくりきません。14座は全て違う山で、前回の経験が何の役にも立たない。経験というのは積み重ねではなくて、「並べるもの」という感覚があります。

14座を登ったことが新聞や雑誌でも取り上げられましたが、裏を返せば地球上にある無数の山のうち、たった14にしか登っていない。これまでもどこまで死なないで行けるか試した結果、14座になったのだから、これからもプロ登山家としてどこまで行けるかというのを試したい。登りたい山は無数にあり、可能性はたくさんあります。最終ゴールを決めるのではなく、「どこまで続けていけるのか」を考えたいですね。

すでに40歳を超えていますから、スポーツとして考えたなら引退する年齢です。体力の衰えに合わせて登山の方法を変える必要がある。また、登れなくなったときに、どうやって登山の世界に関わることができるかというのも一つの課題だと思っています。

(構成:小川たまか・プレスラボ/撮影:名鹿祥史)

太田 彩子 「営業部女子課」主宰

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おおた あやこ / Ayako Ota

一般社団法人 営業部女子課の会 代表理事(「営業部女子課」主宰)。早稲田大学卒業後、リクルート・ホットペッパーの企画営業として社内表彰であるMVP制度にて表彰を複数回受ける。その後独立し、ダイバーシティプロジェクトや女性活躍支援に携わり、のべ5万人以上の女性営業を支援してきた。2009年より営業女子のための応援コミュニティ『営業部女子課』を全国で展開し、営業女子の活躍を目的とした勉強会やイベントを開催。NHK「グラン・ジュテ」や日本テレビ「news ZERO」、日経新聞などメディア出演多数。代表著書に『売れる女性の営業力』(日本実業出版社)、『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版)、『営業女子 働き方の基本がわかる教科書』(プレジデント社)などがある。内閣府特命担当大臣表彰「平成28年度女性のチャレンジ賞」受賞。日本政府主催「WAW!2016」アドバイザー。株式会社ベレフェクト代表取締役。アライドアーキテクツ株式会社社外取締役。太田彩子ブログはこちら。営業部女子課サイトはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事