アメリカ人分析、大谷「リアル二刀流」死角あるか 大谷とエンゼルスは未知の領域に踏み込んだ

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現実には、けがや運動量の管理はこれまでも大谷という選手の一部であり続けてきた。1シーズン143試合の日本のプロ野球時代に、大谷が105試合を超えて出場したことはない。主に先発試合の前日や翌日に出場しなかったためだ。

「大谷ルール」の解除は、これを変えた。今シーズンはこれまでのところ、エンゼルスの79試合中、74試合に出場している。

ただ、それでも二刀流のためには多少の妥協が必要になっている。先発投手はたいてい中4〜5日で登板するが、大谷の登板間隔は中6日以上。投手としてマウンドに立たないときは主に指名打者として出場し、外野手として守備につくのはほんの数イニングにすぎない。

未知の境地に踏み入れる覚悟

そのやり方は、これまでのところ機能しているが、投打のどちらかに専念する必要があるとする「二刀流懐疑論」を止めるには至っていない。

(写真:Annie Mulligan/The New York Times)

投手として野球殿堂入りしているジョン・スモルツは、スポーツ専門チャンネルのESPNにこう語った。「大谷は誰もが応援する特別な選手だ。しかし現実問題として、彼が持つ偉大な(投打の)才能をどちらも犠牲にすることなく、今の状況をどれだけ維持できるのだろうか」。

打者の道を諦めれば、投手としての大谷の潜在能力をフルに解き放つことができる、というのがスモルツの見立てだ。「投球に専念すれば、彼はジェイコブ・デグロムに迫る存在となれるだろう」。引き合いに出されたニューヨーク・メッツのエースは0.62という驚異の防御率を誇る。

それでもエンゼルスと大谷は、どの選手も何世代と足を踏み入れたことのない境地に挑戦し続ける覚悟のようだ。確かに疑問符はたくさんある。だが、日本での実績を考えると、チームがしっかりと気を配るなら、大谷はそれをやり遂げられるようにも見える。

(執筆:Victor Mather記者)
(C)2021 The New York Times News Services

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