アメリカ人分析、大谷「リアル二刀流」死角あるか 大谷とエンゼルスは未知の領域に踏み込んだ

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常識を覆す選手の存在を信じようとしない伝統主義者の多くは、チームの慎重な起用方針を支持し、「大谷は投打のどちらかに専念すべきだ」と忠告した。

ところがエンゼルスと大谷は2021年シーズンの投打同時出場を決め、大谷は完全なる二刀流のスーパースターになった。大谷の負荷に対するさまざまな制限(いわゆる大谷ルール)が解かれ、ついに先発ラインナップ入りが可能となったのである。

ここまでは順調だ。

30日の先発前時点で、大谷は今シーズン12試合に先発登板し、3勝1敗。防御率は2.58でチームを牽引する。投球イニング数は59と1/3と、メジャーリーグにおける自身最高の合計イニング数をすでに上回った。エンゼルスの敗北となった6月23日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦では6回を投げ、9奪三振1失点。投球数が100球を超えたのは今シーズンで初めてだ。メジャーリーグ通算でも、100球超えは今回を含めて3回しかない。

ホームラン王争いで単独トップに

大谷は先月、「メジャーに来たのは二刀流をやるため。それが大きなモチベーションになっているし、できるということを証明したい」と語っている。

大谷は29日のヤンキース戦で、27号、28号と連続ホームランを放ち、本塁打王争いでトロント・ブルージェイズのウラジミール・ゲレーロJr.を抜いてメジャー単独トップに立った。

(写真:Annie Mulligan/The New York Times)

問題は、バッティングに悪影響を与えることなく、二刀流を維持できるかどうかだ。日本ハムファイターズでプレーしていたときのデータが、それを占うヒントになる。

日ハムの新人だった大谷は1年目のシーズン途中から投手として登板を開始。2年目の2014年までに先発ローテーション入りし、3年連続で20試合以上の先発を務めた。日本で最後となった2017年シーズンは、けがのため先発は5試合にとどまった。

日本での投球イニング数は、1シーズンで最大162と2/3。今シーズンは合計でおよそ125イニングとなるペースで投げており、日本時代のピークほどではないにせよ、過去5シーズンでは最も多い。投手は徐々にしかイニング数を増やしてはならないと考える人たちには、眉をひそめる向きもある。

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