引越し46回!職も転々「江戸川乱歩」の意外な人生 ラーメン屋台を引きチャルメラを吹いたことも

早大在学時に住んだ家だけでも11か所
江戸川乱歩は、本人が数えたところによると46か所の家に住んでいる。三重県名張町で生まれた後、前近代的空間とモダニズムとが同居する名古屋で3歳から18歳までを過ごした。進学し上京、早大在学時に住んだ家だけでも11か所という。
大学卒業後は1年ほどで会社を辞めた後、衣類などを売りながら、1日50、60銭の生活費で当てのない日を送ることもあった。その後も職を転々としていたが、母方の祖母の形見分けで弟が1000円を受け取り、これを元手に1919年、東京都本郷区駒込林町6番地、団子坂上に文学書専門の古本屋「三人書房」を2人の弟とともに開業する。ちなみにここは乱歩28か所目の家であった。
日本家屋における密室殺人の可能性を示そうとした『D坂の殺人事件』の背景は、団子坂で開いたこの古本屋の店構えや近所の様子を念頭に置いて書かれている。
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