泉谷直木・アサヒビール社長--首位陥落を顧客評価の低下とは認識していない

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泉谷直木・アサヒビール社長--首位陥落を顧客評価の低下とは認識していない

激変期での交代だ。国内ビール類市場が縮み続ける中、アサヒビールは昨年、9年間死守してきたビール類のシェアが首位から陥落した。アサヒビールの新トップが発表されたのは、キリンホールディングスとサントリーホールディングスの統合交渉の白紙撤回が発表された日でもあった。

「スーパードライ」の大ヒットで一気に首位に駆け上がったのも今は昔。競争の舞台が国内から海外へと広がる中、アサヒビールはどんな復活のシナリオを描くのか。泉谷直木社長に聞いた。

──首位を奪われた敗因をどう分析されていますか。スーパードライの一本足打法が悪かったのか、それとも「第3のビール」で出遅れたのが響いたのでしょうか。

シェアは結果であり、通信簿でもある。きちんとした戦略を練って、それを実現するだけの活動をしたのか、という点で確かに甘かったかもしれない。低価格化志向が強まる中で、お客様のニーズをどこまでつかめたのか、という結果と厳しく受け止めている。

単価の高いビールのシェアが食われ、中でも5割のシェアを持つスーパードライが影響を受けた。ただ、ビール部門の中でのシェアはむしろ上がっているため、お客様の評価は下がっていないと認識している。昨年は年2回、売り上げの一部を環境や文化財保護に寄付するキャンペーンなどもやっており、こうした効果も出てきていると思う。

第3のビールでも「オフ」を出してシェアは伸びてきた。ただ、市場の伸びも大きいし、トップ商品が強いので、そこを考えるとまだ差は大きい。顧客ニーズが多様化する中で、それに応える商品を投入していく。

今後は第2、第3の柱をどう育てていくかが課題だ。今は「クリアアサヒ」をメインに置きながら、多様なニーズをしっかりつかまえることで、将来的にシェアは変わっていくだろう。短期的な数字をどう作るかはあるが、数字そのものに一喜一憂するより、長期的な戦略やお客様と長い関係を構築したうえで、シェアを上げていきたい。

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