泉谷直木・アサヒビール社長--首位陥落を顧客評価の低下とは認識していない

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--これまでのところ、海外のM&Aでは中国中心にやや苦戦している面もあるようですが。

中国の場合、まだ赤字なのでこれは成果が出ていないと言うしかない。進出時は沿海部が発展していて、われわれもそうした地域にある会社へ出資した。だが、その後、ビール市場がだんだん大きくなるにつれて、政府の政策もナショナルブランドを育てようという動きに変わり、地方の小企業が生きにくくなってきた。

そこで、中国2位の青島ビールの株式を20%弱取得し、政府の施策に合わせた形での提携、展開を図る戦略に変えた。加えて、食品2位の康師傅にも出資している。ビールと飲料を持ち、中国全土に生産拠点と物流ネットワーク両方を持っている海外メーカーは、当社だけだ。

--2月にはキリンホールディングスとサントリーホールディングスの統合が白紙になりましたが、他山の石としてここから得た教訓は。

私もM&Aに携わってきたが、成功させるには条件がある。それはブランドやバリューチェーン上での関係を構築することによって、ハッピーになれる組み合わせがあるということ。大事なのは一緒になって何ができるかというグランドデザインを描くことで、それをベースにお互いで議論し共通の夢を持とう、とならないといけない。それがなければ、社員も納得しないだろう。

--今後、国内のビール会社と手を組むことはありますか。

日本のビール市場では実際の消費量より、ビール会社4社の生産能力が20%以上、上回っている。極端な話、20%のシェアを持つ企業がなくなっても、供給はできることを意味する。余力を持った企業同士が統合しても効率は上がらない。国内同士で組み合わせを考えても、夢は語れない(笑)。

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