「脱・昭和」若者らがハマる新レトロブームの真相 いまなぜ「輸入レトロ」なのか?

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このように、若者たちは今、積極的に海外からレトロトレンドを取り入れている。昭和レトロに飽きつつあるなか、これからも「輸入レトロ」への需要が高まっていくことが予想される。

また、現在日本が海外のレトロトレンドを輸入しているように、他の国が日本のレトロ・トレンドを取り入れている可能性がある。

実際、70〜80年代に流行した昭和のJ-POPが、韓国のDJがアレンジした竹内まりやの「Plastic Love」をきっかけに、「80年代シティポップ」として、海外で再評価され、大流行している事例もある。このように、海外で発展した日本を元にしたトレンドが逆輸入され、「輸入レトロ」として、日本に入ってくることも今後ありえそうだ。

原田の総評:今、海外のトレンドにたどり着きやすい

Z世代の間で起こっている「輸入レトロ」の実態、いかがでしたでしょうか。おそらくこのブームが起こり始めている背景には、理由がいくつかあるように思います。

1つ目は、昭和レトロブームに飽きてきたこと。私からすると当たり前の「昭和テイスト」は、ゆとり世代・Z世代の若者たちに新鮮なものとして受け入れられました。しかし、そのブームももう10年近く経ち、インスタ上でもこうした写真が増えすぎ、やや食傷気味になっているのだと思います。

2つ目は、この10年近くのSNS、特にインスタグラムの普及です。画像中心のインスタが普及していったからこそ、インスタ上で映える「昭和レトロブーム」が起こったわけですが、同時にそうした写真であふれ返ってしまった今、次なる「インスタ映え」を求めるようになった、ということです。

加えて、インスタはあまり文字の関係ない画像中心のSNSですから、英語ができなくても海外のおしゃれな画像にたどり着くことができ、収集することがしやすくなっています。そうした状況下、「昭和レトロ」に食傷気味なZ世代が「新しい映え」としてたどり着いたのが「輸入レトロ」だということです。

3つ目は、コロナです。長く続くコロナ禍により、海外旅行になかなか行けなくなり、Z世代の間で海外への憧れが高まっています。行けないかわりに海外の流行をSNSで検索するようになったり、海外のものを手に入れたり、海外の食べ物を食べたりする消費行動が増えているのです。その1つの詳細が、このコロナ禍にZ世代の間で「リアル台湾ブーム」が起こっていることです。

これまで日本にあった台湾料理屋さんは、中国本土の料理と一緒に提供されたり、日本人の口に合うようアレンジされて提供されるお店が多くありました。ところがこのコロナ禍に、あたかも台湾に旅行に行ったような、リアルで臨場感のある台湾料理店が増え、あるいは脚光を浴びるようになっているのです。

こうした理由から、今、Z世代の間では「昭和レトロブーム」から「輸入レトロブーム」へのニーズの移行が起こっていると考えます。ぜひ企業のマーケティングサイドの方はこの「変化」に耳をすまし、マーケティング施策に取り入れてみてはどうでしょうか。

原田 曜平 マーケティングアナリスト

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

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