流行語「飛ぶぞ」がZ世代に強烈に支持された背景 「マイルドヤンキー」文化の知られざる変化

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日本における「マイルドヤンキー」、その知られざる変化とは?(写真:筆者絵提供)

みなさんは「飛ぶぞ」という流行語をご存じでしょうか?

「飛ぶぞ」は「精神が飛んでしまいそうなほど最高(ハイになる)」という意味で、女子高生に人気の雑誌『egg』の「egg流行語大賞2020」の6位にランクインしています。

「飛ぶぞ」の発祥は元プロレスラーの長州力さんで、彼が「相席食堂」という番組でホタテを食べたときに、美味しくてつい口にした言葉です。「食ってみな、飛ぶぞ」と、まるで薬物でトリップしたかのような言葉にスタジオは爆笑の渦に包まれ、それがSNS上で拡散されていきました。

この言葉がSNS上で広がっていったのには、SNS上で最大の人口を誇るZ世代とこの言葉が大変相性がよかったから、というのも大きな理由でしょう。たくさんのZ世代の若者はHIPHOPに憧れを持っており、この「飛ぶぞ」という言葉はHIPHIPでよく使われる「ハイになる」という言葉と同義であり、彼らに使われやすかった、ということです。

今回は、HIPHOPに憧れるZ世代の若者たちについて、現役大学生がレポートしてくれます。

HIPHOPカルチャーが一般の若者に浸透

今では若者の日常語となった「飛ぶぞ=ハイになる」「chill out =チル」という言葉。どちらも、HIPHOPカルチャーに語源を置くスラングだ。

今回レポートしてくれるメンバー。写真左より、生本葵瑚(共立女子大学家政学部3年)、鈴木俊太郎(慶應義塾大学法学部4年)、斎藤龍星(早稲田大学政治経済学部3年)、坂後裕菜(上智大学総合グローバル学部2年・写真なし)

現在、「空音」「Rin音」「BADHOP」「Creepy Nuts」といったラッパーや「高校生RAP選手権」や「フリースタイルダンジョン」といった彼らが出演する番組が、若者の心を掴んでいる。

これらのスラングやラッパーたちは、若者が今まで近寄りがたかったHIPHOPカルチャーを身近にし、ワルっぽい文化に憧れを抱くきっかけとなったといって過言でない。

複数の事例から、HIPHOPの文化を生活に取り入れ、個性を表現したいと感じる若者たちのリアルを調査する。

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