学歴と転職回数の多さがコンプレックスです まず現在の職場で認められよう

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

今の職場で認められる実績を出す

私の知り合いの女性で、それまでまったく異なる仕事をしていたものの、将来的には翻訳に携わる仕事を目指していた方がいました。そうは言っても、まったく未経験ではいきなり翻訳も何もありませんので、この方はまず翻訳者と依頼者をつなぐ事務職として仲介会社に入りました。そしてその中で、翻訳者から上がってきた翻訳のチェックや改善点の指摘などを通じて、正確性とスピードが評価され、ご自身も見事、仲介会社から翻訳の仕事に回される立場になりました。

これまた私の友人で、見た目は絶対ホスト、なおかつ高卒ながら以前勤務していた現金問屋での在庫管理・処理ノウハウを横展開し、在庫管理に苦しむ会社へ平社員として入社し、頭角を現して、現在は上場企業で幹部を務めている人もいます。

アルバイトながらも勤務先のシステム管理業務を認められ、30歳中頃にして同社に頼み込まれて、正社員に登用された人もいます。

これらの方に共通しているのは、資格でも学歴でも何でもなく、目先の仕事や、今、その場にいる職場で認められる実績を出した、という事実であり、その実績をもって次へつなげた、ということではないでしょうか。その結果、学歴などほかのラベルで見られるリスクを排除したのだと思います。

反対に、これらの方たちの事例を採用や使用する側の立場から見ると、先ほどの不確実性の議論でわかるとおり、いちばんリスクが低いのは仕事ぶりをわかっている自社の派遣社員やバイトを正社員化する、または使用する、という行為です。

前職時代、自社の経理部員を募集した際に、大卒者を含めて複数の中から私が選んだのは、専門学校卒と短大卒の方たちでした。純粋に即戦力としての業務能力や経験を判断して選んだ結果であり、学歴なんかどうでもよい基準でした。なぜなら圧倒的な業務能力という実績があったからです。そこが決定要因となりました。

したがって、ご質問者様もまずはご自身の目指すべき道を考えた際に、今までの経験やスキルを棚卸しして、どんな武勇伝があり、横展開できるスキルを身に付けているかを振り返るとともに、まずは今の会社で認められることに注力するのが重要だと思います。

現在の会社で正社員になることはできないのか? ご自身の頑張りは本当に評価に値するだけの結果につながっているか? そうでないのなら何が問題なのか、とことん考えてみてください。

ご自身のスキルを磨く、頑張るという自分本位の視点だけでなく、現在の上司や会社、転職先が何を求めているのか、そういった周りのニーズを把握し、その都度、結果を出していく。そして一歩一歩、自分を高めていく。これが本質であり、何かをすれば一発逆転といったスキルや資格は絶対にありません。小さなことやささいなことをきちんとできない方が、大きなことをできないのと同じです。

人生も職業もどこからスタートするかではなく、どこにたどり着くかが重要です。ご質問者様におかれましても、ぜひ、焦らずに冷静に、そして着実に前進されることを心より応援しております。お互いに頑張りましょう!

※安井さんへの相談は、こちらまでお送りください。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事