いい大学に入り、いい会社に入っても、一生安泰の保証はない。これからの時代は、社会に出た後にどんな努力をするかで将来が決まる。この連載では、「学歴なし、コネなし、カネなし」で世の中を渡り歩いてきた安井元康・経営共創基盤(IGPI)ディレクターが、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談に、本当に役立つ実践的なアドバイスをしていく。
※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。
「自分にとっての学び」を意識する
どこかで見た会見ではありませんが、以前、飲み屋でアクセル全開の御仁がいらっしゃいました。
「最近の若いのは、仕事をやぁるじゃなくて、やぁ~らされているんだよ。受け身だからダメェぬあんだよ。たとえば俺は今、飲んでいるんであって、あ~っ! 飲まされているんじゃないんだよぉ~。この違いがぁ~※○♯※△♯○」(注:以下、筆者のヒアリング能力の限界を超えたため省略)。
この「酔拳の使い」が飲んでいたのか飲まされていたのかの違いは私にはよくわかりませんでしたが、ご質問者様の仕事におけるすばらしい業績と、現在、悩まれていらっしゃることについてはよくわかります。おそらく同期や周りよりも早く出世される多くの方が、経験されることではなかろうかと察します。
また、私自身もベンチャー企業にて平社員からスタートし、最終的には上場企業の財務担当役員をやっておりましたが、その仕事は数十億円規模の資金調達やM&Aをやっている傍らで、小口現金管理で「1円足りね~、誰だ盗んだの、コラァ!」とか言いながら机の下を探す、といったことまで非常に多岐にわたっておりましたので、異なる仕事に対するスタンス、という悩みもリアルに伝わってきます。
具体的なことはご質問に記載されておりませんが、おそらくご自身が今まで営業の一線でご自分自身のやり方で活躍をしてきたことに加えて、いわゆる管理的なことや形式的なことも含めて会社からを要求されるようになったがどうしたものか、ということではなかろうかと想像いたします。
いきなり結論じみたことを申し上げて恐縮ですが、まだお若い方かと思いますので、小さなことと今の自分が思うことも大事にし、まずは経験をしてみる、そして経験するのであれば「自分にとっての学び」を意識して行う、というスタンスがカギかと思われます。
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