いい大学に入り、いい会社に入っても、一生安泰の保証はない。これからの時代は、社会に出た後にどんな努力をするかで将来が決まる。この連載では、「学歴なし、コネなし、カネなし」で世の中を渡り歩いてきた安井元康・経営共創基盤(IGPI)ディレクターが、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談に、本当に役立つ実践的なアドバイスをしていく。
※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。
仕事とは実績の積み重ねである
ご自身で健全な危機感をお持ちであり、語学力やITスキルといったスキルの獲得にも熱心でいらっしゃる様子が、ご質問から垣間見えます。
そして「一発逆転」をということですが、仕事やキャリアにおいて一発逆転はありえない、という事実からまずは申し上げます。多くの場合、仕事とは大小の実績の積み重ねであり、評価される際も、何かに懸けて1回大きく花火を打ち上げるというより、むしろ継続的に安定した成功をいかに積み重ねられるか、が評価されうるからです。
前者は、そのときの状況や周りの頑張りも加わったまぐれ、とも考えられなくもありませんが、後者は、成功のリピートという意味で、その本人にやはり何かしらの資質があるのが明らかだからです。
また、20回に1回ホームランを打つよりも、3回に1回ヒットをコンスタントに放ったほうが総合点は高かったりもしますので、やはりこの安定感と継続は、仕事の実績を判断するうえで非常に重要な評価です。
これも当然のことですが、経験としかるべき実績がものをいう仕事において、何かの資格を取れば一気に逆転、なんてのもありえません。
職歴以外の実績を3つ挙げよ
ちなみに余談ですが、私は転職者を面接する際によく、「職歴書に記載されている実績以外で、仕事における実績やアピールポイントを3つ教えてください」と聞きます。
これは面接に来た方が、前述の成功をリピートできる体質の方なのか否かを見極めるひとつの材料にするという意味をもっています。
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