いい大学に入り、いい会社に入っても、一生安泰の保証はない。これからの時代は、社会に出た後にどんな努力をするかで将来が決まる。この連載では、「学歴なし、コネなし、カネなし」で世の中を渡り歩いてきた安井元康・経営共創基盤(IGPI)ディレクターが、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談に、本当に役立つ実践的なアドバイスをしていく。
※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。
②担当役員が退職するまで、ひたすらスキルを鍛えつつ待つ(あと5年は在籍しそう)
③心機一転、前から興味があるMBA、もしくはExecutive MBAにチャレンジする
問題の原因は本当に上司にあるのか?
掛け声は威勢がいいが、実際にはアクションを起こさない「NATO」(No Action, Talk Only)、別名「やるやる詐欺」に加えて、部下からの意見や要望が、自分を超えてさらに上に行かないように全力阻止する「鬼のディフェンダー」ぶりを上司が発揮されている状況なのでしょうか。非常にご苦労されていると察します。その中で、将来の選択肢をきちんと考え、行動する準備をされているK.Yさんに敬意を表します。
まず選択肢を考える前に、今一度、状況の整理をしましょう。現在の状況を作り出している根源は本当に上司にあるのか? 問題の原因いかんによって取るべき解決策も変わってきますので、まずはそこが出発点です。
仕事をするうえで私たちは「自分の立場」で思考しがちですが、仕事をスムーズに進めようと思えば、相手が上司であれ顧客であれ、「相手の立場」に立った視点が欠かせません。上司(またはさらにその上の上司)が何を考えているのかを理解して、適切な提案ができているかをつねに考える必要があります。
たとえば、上司は「短期に大きなインパクトの出る施策を話し合いたい」と思っているところに、短期で成果の出ない、小手先の小さな案を持って行っても相手にされないかもしれません。「相手の気づいていない視点を提供しているのだ」という考え方もありますが、それとて相手にとっての現時点における優先順位を間違えると、響くものも響きません。
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