なぜ「上司が命じる組織」は負け続けるのか 米海軍屈指の潜水艦長に聞く、最強組織の作り方(下)

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写真提供:US Navy

アメリカでもロングセラー、日本でも発売後すぐに増刷を重ねる勢いで話題となっている『米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方』の著者に、新しい組織のあり方を聞いた。今回はその続編である(前編はこちらから→「なぜ軍隊なのに、命令なしで勝てるのか」)。

たった1年でリーグトップの成績をあげた野球チーム

情報のあるところに「権限を下ろして」成功した例として、もうひとつ、ある野球チームの話をご紹介しましょう。

2013年、ケンタッキー大学の野球チームの打率は、所属するリーグで最低の記録となりました。2014年に入ってからもひどいスランプから抜け出せずにいて、バッティングコーチのブライアン・グリーンは、選手との接し方を変えようと決意します。

 それまでは、ああしろ、こうしろと選手に命じていたのですが、それをやめて、バッターボックスにたったときにどうするのかを、選手のほうから話すように促したのです。すると選手たちは、ボックスでの構え方やバットの握り方、ピッチャーに応じた自分なりの対処法などをコーチに伝えるようになりました。

 その成果は、ただちに素晴らしいかたちとなって現れました。効果が現れた理由をコーチに尋ねると、ためらうことなく「あの子たちにはわかっていたんです」と答えました。つまり、選手は自分の問題を理解し、その解決策も理解していたのです。

 こうして、彼らがバッターボックスに立っているときに、あれこれ指示するコーチは必要なくなりました。ケンタッキー大学野球チームは、リーグトップの成績で2014年のシーズンを終えました。 

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