話術には、人間力のすべてが出る

田坂広志さん、新刊を語る

毎年1月、世界のトップリーダー2500名がスイスの保養地ダボスに集まる「ダボス会議」。このダボス会議を主催する世界経済フォーラムのGlobal Agenda Councilのメンバーとして、毎年、この会議に出席し、クリントン元米大統領、ゴア元米副大統領、ブレア元英首相、ブラウン元英首相、キャメロン英首相、サルコジ元仏大統領、メルケル独首相、プーチン露大統領、さらには、ビル・ゲイツ、ムハマド・ユヌスなどのスピーチを聴いてきた田坂さん。

 このたび、『ダボス会議に見る世界のトップリーダーの話術』を上梓された田坂さんに、世界のトップリーダーの話術と人物について、お聞きしました。

「言葉を超えたメッセージ」での勝負

――田坂さんが、この本を書こうと思ったきっかけは、何でしょうか?

田坂:日本の未来を担う若い世代の方々に、世界のトップリーダーの話術の水準を知って欲しいと思ったからです。毎年、ダボス会議で、クリントン元米大統領、ゴア元米副大統領、ブレア元英首相、ブラウン元英首相、キャメロン英首相、サルコジ元仏大統領、メルケル独首相、プーチン露大統領、さらには、ビル・ゲイツ、ムハマド・ユヌスなどのスピーチを聴いてきて、改めて思うのは、彼らの「話術」の見事さです。

 そもそも、世界のトップリーダーのレベルになると、「話術」とは、「言葉のメッセージ」以上に「言葉を超えたメッセージ」での勝負になります。特に、ダボス会議のような最高の舞台では、「人格」「位取り」「胆力」「演技力」「立居振舞」「仕草」「表情」「眼差し」「沈黙」「余韻」といった「言葉以外のメッセージ」で、聴衆に多くのものが伝わります。そのことを知り抜いて、最高のメッセージを発するのが、各国の大統領や首相、世界的企業のCEOなど、世界のトップリーダーです。

 それに対して、日本の政治家や経営者で、この世界のトップリーダーと伍してスピーチができる人物は、残念ながら、あまり見当たらないのが現実です。それは、英語ができるかどうかという「語学力」以前の、人間としての力量、「人間力」の問題です。

 だから、若い世代の方々には、日本の政治家や経営者の「話術」のレベルを目標にするのではなく、こうした世界のトップリーダーの「話術」のレベルを目標にして頂きたいのですね。

 

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