なぜ「上司が命じる組織」は負け続けるのか 米海軍屈指の潜水艦長に聞く、最強組織の作り方(下)

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なぜ、潜水艦艦長の本は売れたのか?

――アメリカで(日本でも)マルケさんの本が多くの読者を獲得した理由は何だと思いますか?

今日の職場にうずまいている不満は深刻です。従業員について言えば、エンゲージメント(職場に対する愛着、信頼)意識は、平均13%と世界的にとても低くなっています。日本はさらに低く、7%まで落ち込んでいます(注:ギャロップ社の2013年グローバル・ワークプレース調査より)。みずからの考えを尊重されることもなければ、自分のアイデアを表現する機会も与えられないという、ひどい扱いを受けている人が本当にたくさんいるのです。

 一方、経営者や幹部も従業員の働きに満足していません。彼らは、自分たちのような責任意識や情熱が部下には欠けていると感じています。どちらの側の不満も、元凶は同じ。そう、間違ったリーダーシップを導入していることです。部下のことを、考える必要のない労働力とみなし、リーダーの命令にただ従うだけのフォロワーとして扱う、意味のないリーダーシップモデルを採用していることが問題なのです。

――読者からのフィードバックで、心に残ったものはありますか?

 私の本に書いてあることを実践したら職場環境が改善した、という知らせをもらうたびにとても喜んでいます。反対に、職場でひどい扱いを受けている話を聞くと、本当に悲しくなります。

――次の本のプランはありますか?

 委ねるリーダーシップの導入に役立つ本を発表する予定です。委ねるリーダーシップを導入している企業の事例を集めています。委ねるリーダーシップは、原子力潜水艦についての話ではなく、人間の話だということをわかってもらいたいので。その後は、別の本を書こうかと思っています。

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