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なぜ「上司が命じる組織」は負け続けるのか 米海軍屈指の潜水艦長に聞く、最強組織の作り方(下)

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委ねるリーダーシップを導入するときに、注意すること

 ――あなたの「委ねるリーダーシップ」を、アメリカ軍全体に導入すべきだと思いますか?

思います。実際、ある程度はすでに現実になっていると言えるでしょう。SEAL(海軍特殊部隊)などの特殊部隊が、委ねるリーダーシップを導入できないかと多大な関心を示していますから。委ねるリーダーシップという考え方は、アメリカの軍や企業に広まりつつあります。

――リーダーの立場にある人が、「委ねるリーダーシップ」を実際に導入する際に、障壁となりそうなことは何でしょうか?
 
 まず、部下が「命令されることに慣れている」という職場環境が挙げられます。そういう環境では、命令を待つ姿勢が社員の身についてしまっていて、上司が部下に命じるという構造が組織として当たり前になっています。

写真提供:US Navy

サンタフェでも、良いとされていた慣習のなかに、命令に従うだけのフォロワーとして部下を扱うためだけのものがたくさんありました。そうした慣習はすべて排除する必要があります。また、現場の人間に決定権を与えるときは、正しい決断を下せるだけの専門的知識があることを確認する必要があります。

 サンタフェの乗員は、魚雷の積み込み訓練は十分に行っていました。しかし、どのタイミングで、どの発射管に、どの魚雷を積載するかを判断し、私に報告できるだけの能力は身についていませんでした。それを判断できるようになるには、もっと高度なレベルの訓練が必要になります。正しい判断が下せると早合点して権限を与えるのはトラブルの元です。

 そしてもうひとつ、組織が成し遂げたい目標をきちんと共有していないことも障害となります。目標は、まず上層部で共有し、それから全員に伝える必要があります。そのときは必ず、「決断を下すためにどれだけの時間をかけるのが適切か?」と全員に考えさせてください。

 一般に、立場が上の人のほうが決断に時間をかける傾向があります。全員がまったく同じ答えである必要はありませんが、ばらつきを抑える必要はあります。そうすることで、同じ目標に向かって働きながらも、決定権を分散させることが可能になります。

――貴重なお話、ありがとうございました。

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