多くの方は「すみません、それ以外はあまりありません……」と答えますが、話せるネタがある方は、書類に書き切れないだけの実績を持ち、仕事をするうえで、ご自身でいろいろと考え、実際に成し遂げるクセをつけている方が多い。すなわち、結果を出すための仕事をしている方だったりします。だからこそ、話せるネタの大小はあるものの、豊富なのです。
また、仕事自体がそういった性質のものですので、キャリアにも一発逆転のチャンスはあまりありません。「あまり」というのは、新たな産業や会社が立ち上がってくる、などの特殊な状況ではありうるのですが、基本、世の中で求められるスキルや経験の価値自体が、その時々の需要と供給で決まりますので、需要の多いところには結局、人が殺到し、長期間、需給のバランスが崩れているといった「チャンスが空いている」状況はまれだったりします(一方で、当然、そのような中で先行者利益を享受する一団がいるのも確かですが)。
そして、ご質問者様の年齢を考えると、即戦力としての地位やスキルを期待されるご年齢ですので、今から何か新しい分野で価値を創造するよりも、むしろ現在、やられている仕事およびその周辺領域において、継続して安定的に実績を出すことで、ご自身のブランド力を高めていくほうが可能性は高いと思います。
そのような中で、いちばんの近道は現在の会社で認められるような実績を出すことです。これは、7月24日付本連載「学歴と転職回数の多さがコンプレックスです」の相談者様へ対する回答と同じです。そのときも書きましたが、現在の会社で評価されることなく、ほかの会社でいきなり評価される、というケースはほとんどありません。
期待を上回る実績を上げる
ご質問者様は外資系企業で派遣社員として働かれているとのことですが、派遣社員ということは、言い換えれば、求められている業務やスキルが明確なはず。したがって、その中でいかに期待を上回る実績を上げ、その道のプロフェッショナルとしての経験を積めるかがポイントです。
そこには魔法はありません。あるのは、期待を上回る実績を出すための工夫や努力といった地道な解決法と、努力する方向を間違えないという冷静な判断力です。その結果として当初、求められていた分野以外の仕事も任せられる、というような正の循環に持っていくことが重要です。
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