証券化商品の信頼回復に情報開示の進展が最重要--アンドリュー・キンボール ムーディーズ エグゼクティブ・バイスプレジデント

証券化商品の信頼回復に情報開示の進展が最重要--アンドリュー・キンボール ムーディーズ エグゼクティブ・バイスプレジデント

世界的な金融危機の発端は、サブプライム住宅ローン市場の焦げ付きにある。同ローンが証券化され、トリプルAの金融商品として世界中に売られていたことが、問題を広げた。格付け会社は短期間で大量の格下げを余儀なくされたことで、市場や金融当局から厳しい批判にさらされ、格付け会社への規制が強化される方向で議論が進められている。そこで、米ムーディーズのストラクチャード・ファイナンス(仕組み証券による資金調達)部門の格付け業務責任者に、改革への取り組みや規制厳格化への対応を聞いた。

--ストラクチャード・ファイナンスの格付けは、企業の格付けよりも投資家との間の利益相反が生じやすいとの批判があります。

ストラクチャード・ファイナンスでは、最初からストレスへの耐性を考え、トリプルAを目指して設計する。投資銀行側は「格付けの方法論、モデルについて理解しており、トリプルAが取れるはず」と主張する。われわれがトリプルAを付与できないと考え、その理由を説明すると、手直ししてくる場合が多い。企業の格付けでは社長が最初からトリプルAを目指し会社を創業するわけではないので、その点が異なる。

投資銀行との関係にはやはり難しいものがある。われわれはトリプルAを付与するには担保を追加するか、保証のようなものが必要だと考えても、投資銀行側は経済合理性から、それはしたくないと考える。

--そこに妥協が生じやすいことが問題となったのでは。

独立性を高めるという意味で、格付けを付与するチームに対し、格付け手法やモデルをチェックするチームと、格付けをモニターするチームを分けて、第二、第三の目でチェックし、議論するプロセスを導入した。

投資家との利益相反の可能性を最小化するために、格付けを決める格付け委員会の構成を見直した。顧客である投資銀行とつながりのあるアナリストは、4票のうちの1票、あるいは8票のうちの1票を持つにすぎない形にしている。また、事前に格付けの方法論やモデルを公表し、アナリストが投資銀行のために個別に仕組みを手直しする余地を極力小さくしている。

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