立憲民主・枝野氏「不信任案見送り」に広がる失望 衆院解散に怯える野党リーダーに覚悟はあるか
枝野氏の発言は、衆参両院の予算委で集中審議が行われた10日に飛び出した。枝野氏は同日午前の集中審議で、菅首相に対してコロナ対応や東京五輪・パラリンピックの開催について厳しく追及した。
しかし、国会内で記者団に囲まれると、コロナ感染拡大を理由に不信任案提出を否定した。共産党の小池氏がすかさず同調したあたりは、「事前に調整したうえでの発言」(自民幹部)と受け止められた。
ただ、国民民主党の玉木雄一郎代表は「出さないと決めつける必要はない。(不信任案の)提出が、政府に不十分なコロナ対策の変更を促すことにつながる」と批判。立憲民主党内でも「どうしてこの段階で弱腰の発言をするのか」(若手)との不満と不信の声が相次いだ。
野党を牽制する自民党の二階幹事長
菅首相は野党の不信任案提出について、4月に「衆院解散の大義になるか」と問われて「基本的にはそうだ」と言明。自民党の二階俊博幹事長も4月の民放番組で「(不信任案を)出してきたらすぐやる」と野党を牽制した。
その二階氏は10日、「解散は一寸先はわからない。今から私が『ありません』と言って幕を張るわけにはいかない。政治は刻一刻と変化していくものだから、その事態を受けて判断したい」と煙幕を張った。
公明党の山口那津男代表は11日、枝野氏の発言について「不信任案を出さないという判断であれば、当面、信任をしていただけると、協力いただけると受けとめる」と皮肉たっぷりに語った。
ただ、公明党は7月4日投開票の東京都議選を最優先する立場で、今国会での解散断行には反対している。山口氏は「今、感染状況は深刻なので、政治はしっかり取り組むことが優先的だとお考えになっているのであれば、それはわれわれとも共有するところだろう」と枝野氏の対応を評価する考えもにじませた。
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