ポスト安倍、「石破潰し最優先で菅」のあざとさ 雪崩打つ各派閥、注目は早くも「2位争い」に
安倍晋三首相の突然の退陣表明で始まったポスト安倍レースは、あっという間に菅義偉官房長官を後継とする流れが固まった。
7年8カ月続いた「安倍政治の継承」が大義名分だが、国民的人気を誇る反安倍の闘士の石破茂元幹事長だけは後継にしたくないという自民主流派が、石破潰しを最優先させた結果ともみえる。
事実上、菅氏の信任投票に
9月8日告示―14日投開票という日程で実施される自民総裁選は、菅、石破両氏と、一時は本命視された岸田文雄政調会長の3氏による戦いとなるのがほぼ確実となった。しかし、「実態は菅氏の信任投票」(自民幹部)との見方が支配的。まさに「幕が開いたら芝居が終わっていた」というあざとさで、総裁選の投票に参加できない自民党の党員・党友だけでなく、結果を注視する国民からの不満も高まっている。
自民党は9月1日に総務会を開き、執行部方針通りに党大会に代わる両院議員総会で総裁選を行うことを決定した。コロナ禍という国難の中で「政治空白を避ける」のが理由で、党則の「緊急を要するときは両院総会で後任を選任できる」との条項を盾に、党員・党友の投票も含めた本格総裁選ではなく、党員投票を省略する両院総会方式を選択した。
具体的な総裁選日程は2日の党総裁選管理委員会(野田毅会長)で決まるが、党執行部は「9月8日告示―14日投開票」とする方針だ。これを受けて政府は16日に臨時国会を召集し、冒頭の首相指名選挙で新首相を選出、同日中に新内閣を発足させる段取りを描く。
野党側は首相指名に続いて、新首相の所信表明演説とこれに対する各党代表質問を要求しているが、政府与党は会期を18日までの3日間にとどめ、国会論戦は10月下旬に改めて召集する次の臨時国会に先送りする構えで、その場合は一部で取りざたされている秋口解散論も消える。
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