茨城の老舗カフェがコロナに全然負けてない訳 サザコーヒーは次々にイベントを仕掛ける
サザコーヒーが本店を構える茨城県は、一般の知名度は低いがメロンやイチゴなどの農作物も高品質だ。各店では同県産を用いた「サザメロンシェイク」や「サザいちごシェイク」なども販売してきた。個人店でありながら焙煎工場とケーキ工房を併設し、カステラショートケーキなどのヒット商品も生み出す。現在、注力するのはアイスクリームだ。
4月16日の取材は、鮎へのこだわりから始まり、新商品へと広がった。この間も本店には次々にお客さんが訪れる。いつも前向きな社長だが、1年前は胃が痛い日々が続いた。
14店全体の売り上げが、「1日50万円だった」
「2020年4月13日、全店の売り上げが1日約50万円だったのです。14店(現在は15店)で約50万円というのは過去最低でした。従業員が約200人いたので、1人当たり2500円です。その後も厳しい状況が続き、4月は赤字に転落しました」(鈴木社長)
ご記憶の方も多いだろうが、昨年4月は最初の緊急事態宣言が発令された時だ。未知のウイルスの感染状況への知見が少なく、繁華街も人出が消えてゴーストタウンと化した。
コロナ以前のサザコーヒーの業績は絶好調で、茨城県と首都圏で展開する店舗には、単月度過去最高を更新した店も目立った。それが一気に奈落の底に突き落とされたのだ。
「これまで行わなかった融資制度を利用し、生活の心配のないパートさんには、休業補償を出して勤務を休んでいただきました。現在は通常シフトに戻りましたが、会社存続の危機でした」(同)
以前からEC販売にも力を入れており、コーヒー豆は売れたが、店舗の損失を補えなかった。そんな時期でも新商品を開発するなどしたが、厳しい春と初夏が続いた。
1年後の現在はどうか。3回目の緊急事態宣言も発令され、コロナウイルスの新規感染者数も増えて予断を許さないが、サザコーヒーの業績は急回復し、旗艦店である本店の3月売り上げは過去最高に迫った。数字は非公表だが、昨年最悪期の1日分とは2ケタ違う月間売上高だという。
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