35歳以上で結婚した人を訪ね歩いている本連載。取材対象は結婚5年目ぐらいまで。つまり、「晩婚さんにして新婚さん」の話を聞き続けている。
2014年の夏に連載をスタートしたので、当初に取材させてもらった人たちとは6年以上の年月が経過した。その後はどうしているのだろうか。
昨年の春に同様の追跡企画をした際は、9人中6人が再取材に応じてくれた。5年前の幸せ度を100点としたときの現在の点数を聞いたところ、平均点は150点だった。意外と高いな、と感じたのを覚えている。彼らのさらに1年後も気になるところだが、今回は別の9人に声をかけて「6年後の晩婚さん」がどのように暮らして何を感じているのかを探ってみたい。
今年は9人中7人から回答を得られた(2人は返信なし)。幸せ度を聞いてみると、250点から95点までとバラつきがあり、平均点は155点。前回調査した6人とあまり変わらない。
この数字には2つの偏りがある。1つは、幸せを感じやすい人だけが取材に応じている可能性だ。6年前の新婚時にも言えることだし、数年たった今はなおさらだ。精神的に余裕がなければ、とくにメリットはないインタビューに2度も応じないかもしれない。その意味では、無回答だった2人の現状を知りたくなる。
もう1つの偏りは、この点数は主観的であることによる。同じような出来事に対しても、人によって感じ方や表現方法はまるで異なる。筆者の仕事仲間に「天才ですね」が口癖の男性がいる。他人をすぐに大げさに褒めるのだ。場が和むのでいいのだが、彼の基準に合わせてしまうと世界人口の半分ぐらいは「天才」になってしまうだろう。今回の点数もそれぐらいのものだと捉えてほしい。
幸せ度250点の川野恵子さん
「妊娠するまで週7で飲み歩いていたのに、妊娠から授乳中の今まで2年以上、お酒を飲んでいません。お酒くらいしか趣味がないのでそろそろ飲みたいです。飲めるようになったら50点プラスして300点!!!」
幸せ度は2.5倍増しの「250点」だと勢いよく申告してくれたのは川野恵子さん(仮名、45歳)。6年前は、子どもっぽいところがある夫との関係性に不満と不安を抱えていた人だ。この夫婦関係がいい方向に変化したきっかけは、約4年間の不妊治療を経て妊娠・出産をしたことに尽きる。
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