都内のIT企業で正社員として働いている中村孝之さん(仮名、39歳)は、婚活の場で同世代の女性から多くの引き合いが来る条件が揃っている。
関西地方の有名私立大学を出て、オシャレなお笑い芸人のような清潔感のある外見。年収は1000万円弱と高く、長く一人暮らしをしてきた。話し方は穏やかなのに軽妙だ。
ただし、孝之さんには向上心と堅実さゆえの「クセ」がある。IT業界内で転職を重ねているのは、常に自らの仕事レベルを上げて縁のあるところに赴いている結果に過ぎず、直近の転職で100万円以上も上昇した年収にも完全に満足はしていない。
「贅沢をしたいわけではありません。僕は保守的なのでお金=安心、という気持ちが強いのです」
4つのアプリを使い分けて恋愛自体はしていたが…
そんな孝之さんは30代後半になるまでは結婚は想像もできなかったと振り返る。キャリアアップのために未経験の業務にチャレンジする転職もしたため、精神的にも時間的にも余裕がなかったからだ。
「恋愛はしていました。アプリを4種類ぐらい使い分けて出会っていましたが、長くて1、2年の付き合いだったと思います。仕事量が多すぎてデートの時間が取れない僕が振られるパターンのほうが多かったです」
2年ほど前まで付き合っていた10歳年下の女性とは結婚の話もしていた。しかし、お互いに「何かが違う」という感覚を捨てきれず、結局は踏み込めなかったという。
「アパレル業界で前向きに働いている女の子でした。見た目はすごくかわいかったです。でも、『私を女として扱ってほしい』という気持ちが強くて、休日は海外も含めていろんなところに一緒に出かけたいタイプでした。僕は仕事以外では出不精なところがあり、家で音楽を聴いたり映画を観たり、仕事の勉強をしたいと思っています。一人の時間は大切です」
孝之さんはさらに本音を明かす。結婚相手の女性には年収1200万円以上稼いでいてほしいのだ。
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