一方で、ニューヨークのクラスでは、俳優でもあるコーチが、まずは「声が出る仕組み」を徹底的に解説してくれました。
最も重要なポイントは、「声は呼吸」であるということ。横隔膜、咽頭などなど、それぞれが「どういう動きをして、声が出るのか」を学んだうえで、「いかに全身を緩め、声を出すのか」を学びました。
それはのどや口だけの動きではなく、まさに「全身」を使ったエクササイズ。「聞きやすさ」「滑舌」を重視する説明スタイルの「アナウンサー的発声法」と、「腹の底から情念をほとばしらせ、観客の心を揺さぶるか」に勝負をかける「ブロードウェー式発声法」とでは、やはり目的もやり方もまったく違うということなのかもしれません。
滑舌や声の通りやすさ、大きさはもちろん大切ですが、そうしたうまさが心を打つとは限りません。「人を魅了し、動かす話し方」で大切なのは、以下の3つです。
「滑舌がいい話し方」より「自分らしい話し方」が大事
確かに滑舌のよさは武器になりますが、社長や役員で、やたらと滑舌がよくて、アナウンサーのようにしゃべる人が、カリスマ性があるかと言えばそうではないですよね。
とつとつと話しても、時々つかえたとしても、「その人らしい話し方」のほうが、よほど共感されやすいものです。
よくプレゼンなどで、「声は大きく、ゆっくり」などと教える人がいますが、同じトーンでがなり立てる政治家のつじ立ちが印象に残らないように、声は大きければいいわけはありません。
大切なのは「同じトーン」「同じ音量」「同じスピード」で延々と淡々と話し続けず、「変化」「メリハリ」「抑揚」をつけることです。
若い人向けにはスピーディーに、年配者向けにはゆっくり話すなど相手が心地いい速さで話すなどの工夫も大切です。
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