『人は見た目が9割』というベストセラーがありましたが、人の印象は大まかに言って、「見た目5割、声4割、言葉1割」で決まるという説があります。
「何を言うのか」よりも、「どのように言うのか」が大切というのは一理ありますが、「容姿」などの見た目だけではなく、実は「声」も人の印象形成に大きく影響してくるというのはあまり知られていません。
これまで、1000人を超えるエグゼクティブに話し方のコーチングをしてきた私からすると、リーダーシップを発揮するコミュニケーションにおいては、「『見た目1』:『声3』:『言葉3』:『情熱(思い・エネルギー・志など)3』」といった配分ではないかなというのが実感です。
これまで何回もお会いした孫正義前ソフトバンク会長や永守重信日本電産会長などのカリスマリーダーの話し方は、まさにこの4つが絶妙なバランスで配合されています(「見た目が……」という意味ではありません!)。
やはり、リーダーは、「見てくれ」だけでは通用せず、強い思いや気を持ち、「心に響く言葉の使い手」でなければなりません。そして、「声」もリーダーシップを大きく左右する要素なのです。
「声はその人そのもの」
「声はその人そのもの」。これは、声が小さい、滑舌が悪いと悩んだ私が、「声修業」のために通ったニューヨークのボイスコーチの言葉です。声はその人の性格や人間性といった「人自身」を映し出す鏡ということ。
ブロードウェー俳優などが通うアクティングスクールのボイストレーニングのコースにみっちり通って、発声のABCを学びましたが、目からうろこが何枚落ちたかわからないほど、納得の内容でした。
声で重要なのは「大きさ」や「滑舌」ではありません。以前、日本でとあるプレゼン教室に参加したとき、講師が「声は大きく、ゆっくり。ジェスチャーもとにかく大きく」と判で押したように繰り返すのには、ほとほと辟易しました。
日本のボイストレーニングクラスにも通ってみましたが、「基本の理論」などをすっ飛ばして、滑舌をよくする練習ばかりひたすらやらされ、すっかりのどを痛めてしまいました。
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