休職中のバイトをリハビリとして認めるか

プロに聞く!人事労務Q&A

休職期間中にコンビニでアルバイトする行為そのものが、企業秩序を著しく乱すものと判断することはできませんが、在職中の労働者としての身分を保有しつつ、治療に専念する義務のある期間であるにもかかわらず二重就労するという行為は、企業秩序違反としてとらえることも可能であると判断します。

なお、コンビニとはいえ、アルバイト先が競業会社であったり同業他社である場合は、会社への背信性が強くなり、懲戒処分対象になるものです。

リハビリとしてとらえるべきか

企業は、精神的な不調によって休職した労働者が職場復帰する際に、復帰直後にまた症状が悪化しないよう、なるべく本人に負担がかからないように、復帰前のリハビリ期間が必要ではないかと問われるようになっており、就労せず会社までのリハビリ出勤などを制度化する企業が見受けられます。

今般の英会話学校に1週間に2回ほど通うという行為は、社会復帰への段階的なリハビリとして考えることができます。また、外出することで気分転換になり、病気回復につながるとして主治医から指導されているかもしれません。よって自宅療養ではないものの、外出する行為を一概に治療に専念していないと断定することはできないでしょう。

なお、適度な外出は、段階的な社会復帰をするためのリハビリとして必要であると考えられ、病気回復への効果が見込めると判断します。したがって、会社はその行為については積極的に禁じることが妥当ではなく、慎重に対処する必要があります。

会社指定の医師への面談強制は困難

精神的な不調によって休職している労働者に対し、会社が指定する医師(一般的には産業医)への面談を強制することは、就労可能な状態かどうかの確認など、業務命令としてとらえなければ強制することは難しいものと判断します。なお、業務命令となれば就業規則上の根拠を必要とします。

確かに主治医の診断が最優先であったとしても、会社の労務内容を知っている産業医など、会社が指定する医師の診断を受けさせることは、労働者の職場復帰の判断には有効的です。とりわけ、今般のようなリハビリを兼ねた行動が傷病回復期に効果的かどうかという判断は、主治医であり、産業医であり専門家の判断を仰ぐことが大切です。

(撮影:尾形文繁)


 

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