休職中のバイトをリハビリとして認めるか

プロに聞く!人事労務Q&A

 

質問
精神的な不調から休職している社員がいます。その社員が近所のコンビニでアルバイトをしていることが発覚しました。また、週に2回も英会話学校に通っていることも判明しました。弊社としては、この社員が自宅で静かに療養していると思っていたので非常に驚きました。
さっそく人事部員を自宅へ派遣して事情を聞きますと、「職場復帰のためのリハビリとし働いている。もともと英会話は好きだったので、学校に通うことも回復に役立っている」と説明したそうです。
こうした社員にどのように対応すればいいでしょうか。また、会社が指定する医師の診断を受けさせたいのですが、強制的に診断を受けさせることは可能でしょうか。(金融:人事部)
回答者:社会保険労務士朝比奈事務所 所長  特定社会保険労務士  朝比奈睦明 

そもそも休職とは

休職とは、従業員としての身分を一定期間保有したまま、その期間について労働することを免除する制度であり、休職期間や対象労働者等の法律上の基準などはないため、使用者の裁量によりその基準を定めることができます。

中でも病気やケガによる傷病休職は、労働することができない状態にある労働者に対して、職場復帰することができる状態に回復することを期待して、その間について解雇権の行使を猶予する措置として理解されています。

通常は、労働契約が不履行な状態であれば、使用者は解雇権を行使することができるものとして考えられています。しかし、病気やケガは本人の意思によって起きたものではないため、解雇権の濫用にならないよう使用者の配慮が必要とされますが、その際に休職制度を用いることによって、使用者に課せられた解雇回避努力としてとらえることができるものです。

休職者には治療専念義務がある

療養中にもかかわらず、近所のコンビニでアルバイトすることができる状態まで回復しているのであれば、職場復帰することができるのではないかと疑問に感じるところもあります。

会社は休職期間を設けることにより、職場復帰できる程度の状態に治癒することを期待して解雇権の行使を猶予するものであり、休職期間中の労働者は治療に専念する義務があります。

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