ウエルシアが化粧品販売で狙う「マツキヨ」超え 化粧品専門店「MASAYA」を買収した周到戦略
ウエルシア店舗内では高価格帯化粧品を販売できていないことを踏まえ、業界ウォッチャーは「高価格帯化粧品の販売権を手に入れて、ウエルシア店舗内でもいずれ売っていくことが買収の狙いだろう」と推測する。
そして、「ウエルシア店舗内での販売ができれば、化粧品販売が強いマツキヨやココカラを超える存在になる」とみる。マツキヨはしわ改善スキンケアの「ザ・レチノタイム」などプライべートブランドも強く、2020年3月期の化粧品売上高はウエルシアの1.5倍以上の2262億円。化粧品販売ではドラッグストア最大手だ。
グループのカウンセリング力を向上
ウエルシアはMASAYA買収の狙いを、「さらなる事業領域の拡大を目指すために、伸張が続く化粧品市場に対して積極的展開を図る施策」とだけ記している。ウエルシア店舗内の展開の可能性について、MASAYAの上村匡弘社長は「可能性としてはある」と答えた。

ドラッグストアで現在販売されている化粧品は、客自身で商品を試して購入する2000円前後の中・低価格帯化粧品だ。これに対し、資生堂の「クレ・ド・ポー ボーテ」やコーセーの「アルビオン」といった1万円以上の高価格帯化粧品は、美容部員がカウンセリングを通じて顧客に合った商品を勧めて販売している。
化粧品メーカーはブランド価値を維持するため、1対1のカウンセリングが可能な百貨店や化粧品専門店を主な販売先としてきた。現状、ドラッグストアで高価格帯化粧品は販売されていない。
将来的にウエルシア店舗内で高価格帯化粧品を販売するかはともかく、上村社長が視野に入れるのは、ウエルシアとMASAYAで美容部員の人事交流などによりウエルシア全体としてカウンセリング力を向上させることだ。
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