ウエルシアが化粧品販売で狙う「マツキヨ」超え 化粧品専門店「MASAYA」を買収した周到戦略
百貨店や化粧品専門店をしのぎ、国内における化粧品販売チャネルとして最大の売り上げ規模を誇るのがドラッグストアだ。その業界最大手であるイオン子会社のウエルシアホールディングスが化粧品小売業の覇権を虎視眈々と狙っている。
化粧品業界はコロナ禍によって「冬の時代」を迎えた。インバウンド(訪日外国人)需要は一気に蒸発。メーキャップ化粧品は外出自粛の影響で需要が急減した。とくに、マスク着用で不要となったリップの売り上げ落ち込みが激しい。
イギリスの市場調査会社ユーロモニターによると、2020年の国内化粧品市場は前年比で1割以上縮小した。それに対し、ウエルシアの化粧品売り上げは2020年3~11月で前年同月比1%減と堅調さを維持している。
岡山地盤の「MASAYA」で攻勢
ウエルシアの業績が堅調なのは、ウエルシアの主要子会社である「ウエルシア薬局」の出店が順調に拡大しているからだ。
ウエルシアは採算のよい化粧品販売に注力しており、2015年2月期に649億円だった化粧品売り上げは、2020年2月期には1498億円と2倍以上になった。
さらなる売り上げ拡大を目指すうえで高価格帯化粧品がカギを握っており、2018年に買収した化粧品専門店「MASAYA」がそのゆくえを左右する。
MASAYAは岡山県を地盤とする化粧品専門店だ。イオンモール内を中心に、「MASAYA」と「カラースタジオ」の店名で全国展開している。店舗数は2021年2月末時点で35店。2020年2月期の売上高は67億円だった。
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