セイコーマートがPB商品を北海道外でも売る訳 ワインやアイスなど「巣ごもり」で支持を高めた
8月は好天が続いたにもかかわらず、お盆休みも含めて「巣ごもり」を余儀なくされた、今年の夏。
政府が主導した「Go Toトラベルキャンペーン」も不発に終わった。新型コロナウイルスの感染が再び拡大。各自治体が移動自粛を呼びかけたこともあり、多くの人が遠出を自重したからだ。
先の見えない閉塞感の中、消費者が選んだのが身近な気分転換だ。今回はその一例を紹介して「巣ごもりの消費者意識」を考えたい。キーワードは「コスパ」と「旅行気分」だ。
自社取り扱いワインは、年間400万本売れる
北海道のコンビニとして、独自の取り組みで注目される「セイコーマート」。
同社グループが、近年力を入れるのが自社PB商品「セコマ(Secoma)」だ。2016年に社名を変え、PBも順次この名前に変えた。現在、セイコーマートでは約3500種類の商品を扱い、約1000種類がセコマオリジナル商品だという。
数多い商品の中で、今回は「酒類」と「アイス」に絞り、同社に話を聞いた。
「PB商品の『セコマ』はメーカーとして、道外のスーパー、ドラッグストア、飲食店にも商品を供給する取り組みです。コロナ自粛中の今年4月から6月はアイスの売れ行きが好調で、対前年比で約120%でした。同時期の関東圏では当社のワインとサワーが非常に伸びました。酒類もアイスも家庭内消費と思われる、まとめ買いが多かった。この夏の売れ行きも好調です」
こう説明するのは、セコマ執行役員・広報部部長の佐々木威知氏だ。広報部長の前はマーケティング企画部長を務めており、商品開発の現場にも精通する。
「小売業としての『セイコーマート』の特徴に、ワインの品ぞろえの豊富さがあり、全店でお客様に年間約400万本をご購入いただいています。最も売れるのは『G7』(ジーセブン)というチリワイン。2009年に発売して以来、ワインカテゴリーでは№1のブランドです」
ワインは自社製造ではないため、ラベルの裏面に輸入者・引取先としてグループ会社名「セイコーフレッシュフーズ」が明記されている。酒類の多くは同社の公式サイトでも買え、売り上げも拡大している。
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