ミスド、値下げだけじゃない3つの巻き返し策 今後2年間で商品の25%を健康志向に転換
日本最大のドーナツチェーン「ミスタードーナツ」が、ようやく反撃の糸口をつかもうとしている。
「ミスド」は清掃用具レンタル大手のダスキンが展開する。同社にとってミスドを主体とする外食事業は第2の柱。ミスドの総店舗数は1300弱あり、ピーク時は1300億円超の店舗売上高(2000年3月期)を上げていた。
競合激化より「オウンゴール」
だが既存店の不振、不採算店閉鎖や改装による休止などで今2017年3月期は900億円を割りこむ可能性があり、この5年だけで売り上げは約2割減少した(注:フランチャイズチェーンが主体のため、店舗売上高と同社の売り上げは一致しない)。昨年11月には「ポン・デ・リング」や「オールドファッション」など定番商品35種を10~30円値下げ、税込み108円で買える商品が増えた。「ミスド、競争激化で値下げ」「コンビニドーナツに苦戦」――。多くのマスコミはこぞって書き立てた。
しかし、同社の外食事業が営業赤字に陥ったのは今から約3年前。セブンーイレブンを始めコンビニチェーンがドーナツに本格参入してきたのはその後になる。確かにコンビニでのドーナツ価格は100円が主体で、約500億円といわれる市場を作ったが、ここにきてコンビニドーナツの快進撃は急ブレーキがかかっている。また、2006年に行列のできるドーナツ店として米国から上陸したクリスピー・クリーム・ドーナツも昨年3月に一気に20店弱を閉鎖するなど、往時の勢いはない。
ミスドを展開するダスキンは、低迷の原因は「少子化や健康志向など、市場の変化に対応した店舗の改装や撤退、移転などが遅れた」と自己分析する。いわば「ミスドのオウンゴール」とでもいうべきものだ。
こうした中、ミスドは3つの反撃策で巻き返しを図ろうとしている。
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