ウェンディーズCEOが語る、FK買収の真相 なぜファーストキッチンを買収するのか
たった1店舗のウェンディーズが、136店を展開するファーストキッチンを飲み込もうとしているーー
6月1日、ウェンディーズ・ジャパンは、サントリーホールディングスの子会社で同業のファーストキッチンを6月末をメドに買収すると発表した。買収金額は非公表だが、数十億円とみられている。
ウェンディーズは米国発祥のハンバーガーチェーンで、28カ国に6500店超を展開している。日本には、ダイエーと提携し、1980年に上陸。一時期は100店舗を超える規模を誇ったが、ダイエーの経営不振や、その後に経営権を取得したゼンショーHDの方針転換も有り、2009年末に撤退している。
その後、日本に「ドミノ・ピザ」を持ち込み、宅配ピザ市場を作ったアーネスト・比嘉氏が契約を獲得。2011年末に、表参道へ再出店した。当時は、1つ1000円を超えるフォアグラバーガーなど、高級路線を掲げて再起を図ったが、立地の確保に苦戦。現在も1店舗にとどまっている。
わずか1店舗のウェンディーズが、なぜファーストキッチン買収という戦略に打って出るのか。その狙いについて、CEOのアーネスト・比嘉氏が取材に答えた。
コラボ店の成果が買収のきっかけに
――なぜファーストキッチンを買収したのか。
2011年にウェンディーズを再上陸させた際は、「ファーストカジュアル」という、通常のファーストフードよりもグレードアップした、新しいコンセプトを持ち込んだ。実際にオープンしてみると反響はよく、手応えはあった。
ただ、店舗網を広げていく上で、なかなかいい場所が手に入らなかった。ドミノ・ピザは宅配だから、立地はあまり重要でない。裏通りなどでもよかった。ただ、ウェンディーズなど外食店をやるには駅前など、(通行客が多い)一等地でなければいけない。わかってはいたが、良い立地は条件も難しい。人材確保にも苦労した。
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