モス、社長を退く櫻田厚氏がすべてを語った 創業、ブランド確立、創業者の急逝、混乱…
モスのブランドは創業から10年で形成された
――モスバーガーは日本の外食業界の中でも独特のブランドを築いてきた。モスをどういう会社だととらえているか。
モスのブランド形成に貢献してきたのは、1番に商品、2番に特徴のある立地、3番目に独特のフランチャイズ(FC)の仕組みの3点だ。これらは1972年の創業から10年ぐらいで形成されたものだ。
創業当初から野菜にこだわってきた。当時は、今ほどは食材としてスポットライトを浴びていなかった。その後、健康や安心、安全などマーケティングのいろんな用語が知られるようになった時、「モスは美味しいだけではなく、野菜の洗浄方法も違うみたいだ」「モスの野菜はセントラルキッチンでなく、全部店で仕込んでいる」、「注文してから作るので手作り感がある」といったことが広まった。
衛生管理についても管理会社を早期に作った。だから「モスは観念的なものだけではなく、科学の部分も相当裏付けがある」、「モスは衛生管理、品質管理がきちんとしていて、さらに美味しい」ということに、時代がついてきたのではないか。
立地についても、「行きたくても場所がわからない、でもすごくハンバーガーのうまい店がある」ということが口コミで広がって、神秘性を帯びた。たとえば、新小岩に行ったけれど、モスの店舗が分からずに帰ってきたとか、皆が通りすぎるくらい悪い場所にある。
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