不二家のキャンディが中国市場で売れる理由 現地で人気を誇るのはあのキャラクター
不二家といえば老舗の洋菓子チェーンとして有名だ。創業は1910年(明治43年)。全国の洋菓子店(950店)の店頭を飾るキャラクター「ペコちゃん人形」(1950年、6歳の女の子として誕生)を連想する方も多いだろう。最近では「ルックチョコレート」や焼き菓子の「カントリーマアム」などがおなじみだ。
日本以外にも「ペコちゃん」が大活躍している国がある。中国だ。売れているのは、なつかしい「ポップキャンディ」。白い棒に飴がついていてペロペロとなめる、あのキャンディだ。日本では1954年に発売され大人気を博した後、現在はピークを過ぎたが、中国では「不二家棒棒糖」の名前で人気が継続。中・高級スーパーを中心にしっかり売れている。小売店での価格は一袋20本入り13元(約200円)が標準的だが、現在は売上高100億円規模を狙えるところまで成長している。
他社より遅れた中国進出
同社は中国事業(本拠は浙江省・杭州)の詳細については公開していないものの、同国での売上高は前々期約30%増、前期も22%増と好伸。国内事業に比べて採算も良い。同社は2007年に期限切れの牛乳を原料としたシュークリームを製造し経営が混乱、翌年に山崎製パンの子会社となった経緯がある。中国事業は本格復活への大事な柱の一つだ。
では、なぜ中国でポップキャンディが売れるのか。同社の中国事業は最初から決して順風満帆だったわけではない。
中国進出はいまから12年前の2004年にさかのぼる。手さぐりで日本の製品を輸入する形でビジネスを始めた。棒つきのポップキャンディは専用ラインでの生産が必要なため、まずは日本製のポップキャンディ(4種のフルーツ味20本パック)の輸入販売を始めたが、これが好調だった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら