セイコーマートがPB商品を北海道外でも売る訳 ワインやアイスなど「巣ごもり」で支持を高めた

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「本州のスーパーには幅広く供給するが、ドラッグストアは『ウエルシア』だけ」と聞いた。そこで都内のウエルシアで、人気の「ジーセブン カベルネ・ソーヴィニヨン(G7 Cabernet Sauvignon)」(赤ワイン)を買ってみた。G7シリーズ全体では年間100万本売れるという。

750ミリリットルで、今回の購入価格は580円+税だった。(北海道のセイコーマートでは470円+税)。「G7」とは「ワイナリーの現当主が7代目であることに由来」だという。

「ワインが日常で楽しめるお酒になるよう、長年取り組んできました。かつて、ワインは高いお酒でしたが、世界では、水より安く手に入る国もあるほど、もともとリーズナブルに楽しめる存在です。当社は長年かけて、海外のワイナリーと信頼関係を築き、直接買い付け、輸送を手配し、通関の手続きをして、店舗に届けています」(佐々木氏)

商社などに任せず、ワイン担当者が現地のワイナリーと交渉し、流通コストも抑えて調達するのだ。「海外で安いワインを買うのではなく、長年の信頼関係と流通ノウハウを活かしてコストパフォーマンスの高いワインを提供してきた」と強調する。

ビール類にも力を入れており、新ジャンルのオランダ産「オランダモルト」が一番人気だ。7月6日に発売したベルギー産「パームビール」は、販売初週で約14万2000本を売り上げた。これらもコスパのよさが支持されている。

都内でも買える「G7のワイン」(筆者撮影)

滝上町産ミントにこだわった「ハイボール」

6月9日、「Secoma 北海道滝上町産ハッカ使用 ミントハイボール」という商品が発売された。「ハッカ(薄荷)」は「ミント」の和訳で、商品原料の和ハッカもミントの一種だ。店頭価格は北海道地区が118円+税、関東地区は128円+税となっている。

「最近はRTD(Ready to drink=すぐ飲めるお酒)に分類される、オリジナルサワー類の売れ行きがよく、北海道各地の原料を活かしたものが人気です。これもその一環で、珍しいミントクラフトジンを使っています」

佐々木氏はこう話し、開発の経緯を説明する。

「近年“チョコミン党”という言葉があるほど、ミント好きの方がいます。かつて、北海道は世界一のミント生産地で、かねてから『道内のミントを使った商品を作りたい』という想いを持っていました。でも、ミントの生産は北見市と滝上町の数少ない農家さんで、なかなか手に入らない。それがセイコーマートの店舗出店を機に、話が進んだのです」

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