夏場の便秘と下痢、その解消法とは? 腸の不調にご用心!大腸がんは女性のがん死因1位

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朝食をしっかり食べよう!

食事で食物繊維をたっぷり取り、腸内環境を整えるのが、便秘や下痢の解消の第一歩になる。とはいえ、そもそも朝食抜きという人もいるだろう。出勤時間のギリギリまで寝ていると、朝ごはんを食べる時間はない。夕食の時間が遅いと、朝起きたときに胃がもたれている場合もある。しかし、朝食抜きが、便秘や下痢に拍車をかけるという。

「人間の身体は、時計遺伝子(体内時計)のリズムによって、日中は活動的になり、夜はグッスリ眠るといった体調を整えています。それは、自律神経の働きも左右し、腸の働きにも影響を及ぼすのです。時計遺伝子のスイッチを入れるには、朝食をしっかり食べることが必要です」(同)。

朝食を抜いてしまうと、腸の働きが悪いゆえに便秘や下痢につながる。体調不良に加えて、エネルギー不足で集中力も欠如。調子が戻ってくるのは昼食後。加えて、体内時計が乱れていると、夜の寝つきが悪く、寝不足にもなりやすい。こんな悪循環を断ち切るには、朝食をしっかり食べるのがひとつの方法だ。

「米国の調査では、授業の1時間目の前に、学生に15分程度の運動をさせたところ、成績が上がったとの報告があります。朝は早めに起きて、ラジオ体操など軽く体を動かした後に、しっかりと朝食を食べる。すると血流や自律神経の働きが高まり、便秘や下痢の解消だけでなく、仕事のパフォーマンスも上がるでしょう。夏場は、外気の影響で自律神経が乱れやすい時期でもありますから、ぜひライフスタイルを見直していただきたいと思います」と、小林院長はアドバイスする。

安達 純子 医療ジャーナリスト

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あだち じゅんこ / Junko Adachi

東京生まれ。医療ジャーナリスト。医学ジャーナリスト協会会員。大手企業のOLから転身。フリーランスの雑誌記者としてさまざまなジャンルの取材を行う中で、病気の発生メカニズムに興味を持ち、医療関係の記事の執筆に比重を置くようになった。現在は、先進医療といった最新の医療状況をはじめ、免疫疾患や感染症などに強い関心を持つ一方で、生活習慣病といった身近な病気を対象とした記事を数多く新聞等で連載中。身体に個人差がある中で、その人にとっての健康とはなにか。病気の仕組みはどこまで解明できるのか。また、未知の病気の正体はどこにあるのかなどをテーマに現在取材を進めている。

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